司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ37)

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173話ページ37

花「ごめんねA。俺は月へは行けない。生きてた時に叶えられなかった願いが死んだ後に叶うことは無いんだ

でも90年後まで生きていたいだっけ？随分わがままだけど⋯いいよ、叶えてあげる⋯叶えてみせる

俺は生者の願いを叶える怪異だからね」

貴「人魂ちゃん！あ！花子くん！」

月の上に行ったと思った

だけどそれは一瞬のことで

瞬きをして次にみた世界は

美術室

貴「この塔の絵。さっきまで私達がいた所？じゃあここって」

シ「絵の外ですよォ」

貴「！！」(ビクッ！

シ「ワタシの境界へようこそ。はじめまして。藤崎Aさん」

貴「はじめまして⋯？じゃないよね？」

シ「そうですねぇ。あの世界にいた私は全て私の分身。本当のワタシはずっと絵をここで描いていましたから

とはいえ分身の体験したことは全て私の体験でもありますから。今更でしょうか

七番様の助力を得てこちらに出てきたんでしょう？」

貴「えっ」

そっか花子くん

出口まで送ってくれたんだ！

でも、やり方が雑！

貴「あれ？みんなは？一緒に来たはずなんだけど」

シ「大丈夫ですよぉ。アナタがワタシの依代を破壊すればあの世界は崩壊して中のものは強制的に元いた場所に戻されますし

他の二人は一足先にこの境界から出ていっていただきました。依代を壊す前に、アナタと少し話がしたかったので」

貴「私と？」

シ「えぇ。現実に戻ればあなたの命は残りわずか。この問題をどう解決するつもりですか？」

貴「それは、えっと⋯死な⋯ないように気をつける！事故に気をつけたり！」

シ「それでどうにかなると思ってるんですかぁ？まさか本気で？？

生者の領域のみで対処するのは難しいですよォ。ですので、七不思議一番に会いに行くのはいかがですか？」

貴「一番ってもしかして茜くん！？」

シ「ハイ。時間を司る七不思議ですからね。残りの時間の短いあなたの相談先としては適当かと

それに一番は最も旧い七不思議でもあります。ワタシや七番様も知らないことを知っているかも」

貴「そっか。確かに⋯」

と言っても協力してくれるのかなぁ

そんな都合よく