【ky】ねぇ、愛して。【短編集】

好き。 ページ15

｢キヨ君、好き。｣


｢…俺も好きだよー。｣


なんで、空返事なの。
スマホばっかり見て。


｢…キヨ君、きらーい。｣


｢俺もきらーい。｣


｢…うそ、好き。｣


｢はいはい。｣


マジでなんなの？
めっちゃムカつくんだけど。


｢キヨ君、何やってるの？｣


｢ゲーム。｣


｢なんの。｣


｢育成ゲー。｣


｢…あっそ。｣


私より、育成ゲーってか。
キヨ君は最近構ってくれない。

別に、構って欲しいわけじゃないけど。
今はそっちじゃなくてもいいでしょ。


｢ねぇ、キヨ君。｣


｢ん、なに…って…！｣


私はキヨ君を押し倒した。


｢私がいるのになんで構ってくれないの。｣


｢嫉妬か？｣


｢スマホに負けてるのが嫌なだけ。｣


｢かわいいな、Aは。そんなに俺の事好き？｣


キヨはそう言ってスマホの電源を切った。


｢…あたりまえ。｣


｢ちゃんと好きって言えよ？｣


｢は、はぁ？｣


キヨ君の目付きが変わる。


｢さっきまで言ってたなら言えるよな？｣


｢そうやって求められるのは…っ…｣


｢ほら？｣


｢好き…だよ。｣


｢おりこーさん。｣


下から私の頭を撫でた。
少しくすぐったい。


｢この状況わかる？｣


｢え？｣


私がキヨ君に馬乗りしてる状態。


｢積極的な女の子は嫌いじゃねぇよ？｣


｢き、キヨ君が構ってくれないから！｣


｢なぁ、キスして。お前から。｣


｢…っ…。｣


私はキヨ君にキスをした。


｢もっと、甘いの。｣


｢ん…っ…｣


私は深いキスをした。
自分からするのは初めてかもしれない。


｢…ん…上手。俺もそろそろやばいわ…｣


座っている所には少し違和感を感じた。


｢や、やだ…｣


それが何かとわかると急に恥ずかしくなる。


｢今日はAがリードしてよ。俺は受け身になるからさ。｣


｢な、なんで…！｣


｢構って欲しいんだろ？自分から行動しないと？｣


｢よくわかんない…っ…｣


｢じゃ、俺の言った通りにして。｣


｢…え？｣


｢じゃあまずは………｣


今日のキヨ君はいつも以上にドSで、変態で…でも好き。





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