不可抗力《カンタ》 ページ46
「あ、来たんだ」
私に気づいた寛太は、それだけ言ってパソコンの画面に視線を戻した。
その隣に腰を下ろす。
来てはいけないと分かっているのに、
私はまた、ここに来てしまった。
「寛太」
「何。今編集しんだけど」
イヤホンを取る彼の手が、腰に当てられた。
ビクリと身体が反応する。
「ねえA、俺最近疲れてるんだよね」
いつの間にか背中には床の感触。
熱を帯びた吐息が混ざり合う。
私に覆い被さる彼の肩を押しても、びくともしない。
「こういうのやめてって言ったよね」
「Aだって、分かってて来たんでしょ?」
「違っ…」
私には、何も言わせないとでも言うように、強引に重ねられた唇。
漏れ出す吐息が脳を刺激する。
「…相方の彼女に手だす気?」
「そうだとしたら、何?」
彼のいやらしい目が、私を見詰める。
抵抗しようとしても、身体がいうことを聞かない。
「…最低っ」
「いいよ、俺最低だから」
Tシャツの中に滑り込む、骨ばった手。
軽く触れるだけのキスをしてから、彼は私の耳元で囁いた。
「今だけはあいつのこと忘れて、俺でいっぱいになってよ」
鏡花水月《ぺけたん》→←全部君のせい《ツリメ》ゴリラさんリク
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クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時