君にだけは《いっくん》ねるるさんリク ページ42
「いっくん!!」
「なんだよ」
俺は、好きな奴には滅法弱い。
「さっきから呼んでたんだよぉ?」
机に手をついて、俺の顔を覗き込む彼女から目を逸らした。
「だから、なに…」
「理由がないと話しかけちゃダメ?」
口を尖らせてそんなことを言う彼女には、俺は弱い。
耐えきれなくなって、俺は席を立った。
「どこ行くの?」
「トイレ」
廊下に一歩踏み出せば、もわんとした空気が体を包んだ。
少し開いた窓から入る蝉の声がうるさい。
(もう夏か…)
「でさ、なんで着いてくるの?」
「ンフフ、バレた?」
「いや、バレるも何も…ね」
俺の隣に並ぶ彼女は、何故か満足気だ。
「いっくんてさ、皆と仲良くしようとしないよね」
「そうだね」
"余計なお世話だ"、そう言おうとして、言葉を呑んだ。
「じゃあさ、なんで私とは話してくれるの?」
「はっ!?」
この人はなんでこんな事を聞くんだ。
嗚呼、どうしてこんなに、
愛おしいんだ。
「それは…」
「それは?」
『俺が君のことを好きだからだよ』
なんて、ぜってぇ言ってやんねぇ。
君にだけは、
「教えない」
「えっ!?」
"教えてよ"なんて、口を膨らませる彼女は、やっぱり可愛い。
俺は、好きな奴には滅法弱い。
_____________________
ツンデレが分からなくて調べたけど、やっぱり分かりませんでした。
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クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時