検索窓
今日:20 hit、昨日:28 hit、合計:119,927 hit

嫉妬心《いっくん》えのきの娘さんリク ページ36

「いっくん、いっくん」

返答もろくにせず、液晶画面とにらめっこを続ける彼の背中に問いかける。

「今日のいっくんなんか変だよ。どうしたの?」
「別に、なんもないわ」

明らかに口調から機嫌の悪さが伺える。

「嘘、なんかあるなら、言ってくれないとわかんない」
「だから、なんもないゆうてるやん‼」

(怒ってるじゃん…)

「ねえ、いっくん…こっち向いてよ」

無言の彼の肩を揺らす。
私、なんかしちゃったかな。
嫌われちゃったかな。

不安で涙が出そうなのを、必死に堪える。
じわじわと目尻が熱くなるのを感じる。

「ねえ、いっくん…」

彼の耳に届いたかわからないような声量で、彼の名前を呟く。



「誰とでも気安く喋んな」

さっきから黙りこくっていた彼が、やっと口を開いた。

「誰にでも笑顔向けんな」
「いっくん?」


真っ青な髪の間から覗く彼の瞳が私を写す。

「お前、可愛いから、他の奴に狙われたら困るねん」

不意に腕を引かれてバランスを崩す。
あっという間に腕の中。
細いけど、でもやっぱり男らしい彼の腕にドキドキする。

「いっくんどうし…」
「うるさい」

それは一瞬の出来事。
唇の熱で気づいたキス。
強引なはずなのに、彼にキスはいつも優しい。

「いっくん、好きよ」

話された唇から出たのは、告白の言葉。
あまりにすんなり出たその言葉。


「知ってる」

彼は余裕な表情で、今度は私の胸元に小さくキスを落とした。



胸:所有

アイスキャンデー《はじめしゃちょー》→←あくま《マサイ》翼を授ける犬さんリク



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
251人がお気に入り
設定タグ:Youtuber , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。