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プラネタリウムなんていつぶりだろう。
小学生の頃に両親に連れって行ってもらったきりかもしれない。
記憶に残るプラネタリウムを思い浮かべながら、私は胸を膨らませた。
指定された席に着くと場内の電気が消えた。
開演の合図だろうか。
中は暗くて何も見えないが、私の隣に彼が座っていることは事実で、
なんだかすごくドキドキした。
しばらくして、心地よい声のアナウンスとともに、天井一面に映し出された、星々。
それは人工のものとは思えないほど綺麗で、思わず息を飲んだ。
ふと気づくと、私の右手に重ねられた大きな手。
まるで安っぽいメロドラマのワンシーンのようだが、
それでも私の心は高鳴った。
それから、いくつか正座の名前なんか紹介されていた気がしたが、
右手に意識をとられて、内容など頭に入ってこなかった。
上演が終わると、次々と客たちが出て行く中、
私たちはしばらくそのまま、ぼうっとしていた。
スタッフの退場の声がかかると、お互い言葉を交わさず、その場を後にした。
帰り道、それとなく繋がれた手。
「今度は、本物の星を見に行こうか」
「うん」
私の手を握る彼の隣で見る星は、
きっと息もできなくなるほど綺麗だろう。
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クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時