君の恋愛相談《ダーマ》 ページ4
「……でさ、どう思う?」
「………」
なんて、問いかけてはみたものの、君はさっきから上の空。
君の視線は携帯の画面に向いたまま。
「…ちょっと!聞いてんの!?」
「うおっ、痛って!」
そいつの脇腹に、拳をねじ込むと、"ふざけんなよ!"って睨まれた。
(それはこっちのセリフよ…)
ふと、彼を見れば目線は元通り。
忙しなく動く指をじっと睨む。
「無視すんなよ」
「うるせぇな、今俺ゲームしてんだけど!?」
携帯を指さしながら、大声を出すダーマに"うるさーい"と一括。
「お前さぁ、自分一人で解決出来ないんなら友達の恋愛相談とか乗るなよ」
(一応、聞いてたんだ…)
たしかに、彼の言う通りだ。
いつの間にか、友達の間で私は"聞く専門"になっていて、良く恋愛相談を吹っかけられるのだが、恋愛経験の少ない私にはどう答えたらいいのか分からない。
だからこうやって、幼馴染みの家に上がり込んでは、彼に助けてもらっている。
(何気にいい答え返ってくる時あるし…)
でも、
(それって、前に彼女がいたりしたから?)
そう思うと、胸がざわつく。
それは、昔から知っている仲だからなのか。
それとも別の感情なのか。
(まぁ、いたとしたら驚きだけどね)
今まで特に、彼に浮いた話は聞かなかったが、実の所は分からない。
"幼馴染み"として気になるけど、彼は自分のことを話すようなやつじゃない。
だから、聞けない。
「やっぱり、恋してる人の事は応援したいじゃん?」
"へぇ"と興味無さげな返事。
そんな彼に、"もういいよ"と言えば、
「じゃあさ、」
不意に口を開いた。
「もしも、」
今日初めて、彼の目がちゃんと私を見た。
彼に見つめられて、頭がクラクラする。
「俺に好きな人が出来たって言ったら、お前は応援してくれる?」
「え…」
彼の口から出た思わぬ言葉。
(ダーマに、好きな人が?)
グルグルと回る思考。
頭が痛い。それよりも、胸が痛い。
それはなんで?
初めての君からの恋愛相談。
私の答えは…
「応援…したくない」
251人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時