【YouTuber】貴方の好きなところ【短編集】

刹那《トミー》 ページ18

恋が終わる瞬間。

それは、突然に現れて、儚い私の恋を攫ってゆく。
刹那の出来事。


雨の降る夜。

街灯沿い、傘を差して寄り添う二人。


＿＿






初めは、


「富永くん」


でもいつからか、


「知義」って。


君も、

「A」

そう呼んでくれた。




いっぱい話した。

デートもした。

手も繋いだし、キスもした。


全てが愛おしい、私と貴方だけの思い出。

でも、全ては"思い出"。

過去。


忘れてしまいたいのに、

脳裏から離れない。


貴方の声が、

笑顔が、

全てが思い出になってしまった今でも、

よく覚えてる。

君は忘れちゃったかもしれないけど、私はまだ覚えてる。


大好きだったから。愛してたから。


貴方は？


貴方のその瞳に、一瞬でも私が映ったことはあった？


もしあったのなら、私はそれだけで幸せです。





「サヨウナラ」


文字として浮かび上がったその言葉。
私は最後まで貴方に言えなかった。


そう、意気地無しだから。


画面を触れる指が震える。


送ってから気づいた。



賢いあなたの事だから、

こうなることもきっと、分かっていたんでしょ？



だったら、最初から貴方なんて、知らなきゃよかった。





『サヨウナラ、ありがとう。』


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なんか、最近似通ったお話ばかりですみません…

その瞳《いっくん》さくらんぼ！さんﾘｸ→←おやすみ、僕の姫《カンタ》マリンさんﾘｸ

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