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せんせい ページ15

慎side






『A、うつ伏せになれる?』

A「うつ伏せって……こう?」

『うん、そうそう』

A「北人先生……」

北人「大丈夫、Aちゃん、ちょっとズボン下ろすね」

A「うん……」

『A、消毒、いつもと色がちょっと違うけど、大丈夫だからね』

A「何色なの……?」

『見える?茶色っぽいでしょ?』

A「ほんとだ……」

『よし、ちょっと冷たいよ』



針を刺す時が近くなるにつれて、どんどん口数が減っていくA


骨髄検査の時は、図太い針を背中に指すから、念入りに消毒しなきゃいけない


『じゃあ、いくよ……』



A「…いたい……」

まだ針を刺していないのに痛がり出すA



北人「Aちゃん、まだ何にもしてないよ笑」

A「……っ…泣…」

針を刺すことへの恐怖から、涙がポロポロと零れ落ちる


『A、ごめんね…痛かったら北人先生の手握ってね』


そう言っても、ついに反応しなくなったA

そりゃ、怖いよね

ごめん、そう思いながら針を刺した


A「いっ……たい…痛い……」

北人「痛いね、ごめんね〜、」



俺は、目の前のことに集中して、対応は全部、北人先生に任せることにした


あまりの痛みで腰を動かそうとするA

でも、男の看護師さんに抑えられているから動けない



北人「Aちゃん、ちょっと次痛いから、頑張るよ」



あっという間に時は過ぎ、もう後半に入った

次は、骨髄検査の中で最も痛いとされる、骨髄液をとる作業だ


一旦針を抜き、極細の針をプスッと刺していく。



A「やだっ…痛いぃ!もうおしまいぃ…」

北人「痛いね、ほらでもさ、もう1番痛いの終わっちゃったから、あともうちょっとだよ」




北人先生の声にAは、繋いだ手をぎゅっと握りしめ、頑張って耐えた

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作者名:れいな&紡. | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayasayash1/  
作成日時:2020年6月9日 16時

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