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、
席について、パッとスマホを確認すると
"気をつけて帰ってね"
と、彼からの連絡が入っていることに気がつき
少しだけ頬が緩む。
「松村さんすか?」
そんな私の様子を見て思ったのか、
森本くんが尋ねる。
『ああ、うんまあね』
「…結構、一方通行だと思ってたんすけど
中野さん好きなんすね松村さんのこと」
『え?』
好きなんすね、と断言されて
私は自分自身のことなのに戸惑い
何度か瞬きをして森本くんを見る。
「え、無自覚なんすか?
さっきも女の子に囲まれる松村さんを見る目、
明らかに恋する人の顔でしたよ」
そう言って、森本くんは私のその時の顔を再現しようとしたが
うまく行かなくて、おどけた顔をする。
「でも、まだ付き合ってないなら
俺にもチャンスはありますよね?
現に、今、
中野さんと二人っきりなのは
松村さんじゃなくて俺だし」
酔っていないのに酔っているかのような
甘くて熱い感覚が襲うのは
この雰囲気のせいだ。
向かい合わせに座る
森本くんの目は私を捉えて離さない。
「って、そんなガツガツ言ってもっすよね。
とりあえず俺は飲みまーす」
急に視線が逸らされて
森本くんは大きな声で店員さんを呼び、
ハイボールを注文した。
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作者名:Runaaaaa | 作成日時:2021年5月29日 23時