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向かいの居酒屋で





森本くんと二人、グラスを合わせて乾杯する。






可愛らしいカクテル…ではなく





中ジョッキの生ビールが私にはよく似合う。









「中野さん、割と真剣に狙われてます?」







枝豆が運ばれてきてすぐ





口の中に豆を押し出しながら森本くんが問う。







この質問で一人の人物がすぐ思い浮かぶが



勘違いであるといけないので








『誰のこと?』






とりあえず、きちんと聞いておく。







が、やはり








「松村さんっす」








森本くんが発したのは彼の名前だった。







側から見てもやはり、彼の好意が見てとれるのだろうか。





面倒ごとにならないように誰かがいる時は
気をつけてくれている様子だったが





勘づかれ始めているのに気づかないのは



私が、好意を持たれていることが当たり前になりつつあるという



錯覚に陥っているからなのか?








「昨日初めて思ったんですけどね」









私が考えていることがわかったのか
付け足すように森本くんは言った。

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作者名:Runaaaaa | 作成日時:2021年5月29日 23時

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