帰宅したら家に反社がおりまして。【三途春千夜】

24 甘々対応 ページ25

胃が、痛い。ベッドで横になっていると急な胃痛に苦しめられる。

生理前ってこんなに酷かったっけ？ホルモンバランスが崩れて、それに伴って腹痛や頭痛の症状はあったりするけど、過去一で酷い気がする。

……本当に情緒が安定しない。

痛みからなのか何からなのか分からないけれど、突然泣けてきてしまう。

仕事では些細なミスをするし、体調は悪くなってく一方だし、何よりも。春くんに、とてつもない迷惑をかけている。

自己嫌悪に陥れば陥る程、自分を責め立てあげる事ばかりを考えてしまう。過ぎてしまったことを言っていたって無意味なのに。

それでも、感情がよく分からないまま涙を零している。

「ご飯出来た……って、何泣いてんだよ。」

ご飯を作ってくれて呼びに来てくれた春くん。泣いている所を目撃した途端に駆け寄って来てくれる。

「分かんないけど、泣けてきちゃう。」

めそめそ泣いているのは私らしくない。そんなの、自分が1番わかってる。でも、強気な感情とは裏腹にどこか弱ってる自分がいて、それを誰かの目に止まって欲しいとすら、思っているのかもしれない。

春くんは、そんな私を優しく抱きしめてくれる。安心させてくれるように。

「弱ってる時くらい、自分から甘えに来いよ。」

「……ありがと。」

しがみつくように、私も抱きしめ返すと、サラりと髪を掬うように撫でてくれる。

「飯、食える？」

「食べる。」

春くんが、作ってくれたものだから、食べたい。でも、まだ胃は痛くて。心と体の意思疎通が出来ていない事に憤りを感じてしまう。

早く、生理が来て元の体調に戻って欲しい。

「甘え下手なAちゃんの為に、今日は俺が食わせてやる♡」

「……うん、食べさせて欲しい。」

春くんの提案を素直に呑み込むと、拒否されると思っていたらしく、少しだけ驚いた顔を見せた。

かと、思いきや。少しだけ照れた表情を見せる彼。

「クソ可愛いじゃねえか。犯すぞ。」

抱きついたままの私を抱きかかえて、寝室から出る。こんなに、甘やかされていいのかと言うくらい甘々対応な気がする。

「俺にだけ、そうやって甘えてろ♡」

軽く優越感に浸っている彼。そんな彼を見て、私も微かに優越感に浸ってしまいそうだ。

椅子に降ろされると、スプーンでお粥をすくって、食べさせてくれる。自分の食事はそっちのけで私のことばかりを優先する彼。

世界で1番、春くんが好き。改めて、そう思った。

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