22 顔面蒼白 ページ23
仕事中は体調が悪くなることも無く、いつも通り事務仕事をこなしている真っ只中。
昨日の体調不良と今朝の倦怠感は何だったのだろう。やはり疲れとストレスが溜まっていたせいなのか。
「東雲さん。」
「はい。」
「ここ、間違えてるから修正お願い。東雲さんがミスなんて珍しいね。」
「すみません。今すぐ直します。」
ここ数年はミスもなかったのに、こんな初歩的なミスをするなんて新人の時以来だ。ちょっと見直せば気づくミスのはずなのに、気づけなかった。
その時にどれだけ自分が集中出来ていなかったのかよく分かる。次はミスしないように改めて仕事と向き合おう。
カタカタと打つタイピングの音が他の場所から聞こえる度に、少し苛立ちを覚える。また……だ。最近、物音にすぐ敏感になってしまう。
一旦、落ち着こう。そう思ってキーボードに置かれた両手をデスクに移動させて、肩の力を抜く。
先程、入れてくれたコーヒーが既に温くなっており、私はコーヒーを入れ直そうと立ち上がった。
給湯室に行くと、後輩も同じタイミングでコーヒーを入れていた。私の存在に気づき、声をかけてくれる。
「東雲さん、何飲みます?……って、顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
「え、嘘。」
「真っ青ですよ?体調悪いんですか?」
「ん〜最近、疲れてたからかなぁ、昨日の夜よりは良くなったんだけど。」
後輩に言われるまで知らなかった。私、顔色悪いのか。後輩が入れてくれたコーヒーをデスクに置き、自分の顔色を確かめるために御手洗へ向かう。
鏡を見つめると、確かに顔色はあまり良くなかった。血色が悪く、唇も白っぽい。ポケットに入っている色つきのリップをとりあえず塗り、色をつける。
体調はさほど悪くないし、動けるけどそれに伴わない顔色。
本当に何なのだろうか。もしかして、生理前だからかもしれない。
よくよく考えたらまだ生理が来ていない。だったら全て辻褄が合う。情緒が安定しないのも、眠いのも、体調不良なのも。
なんでそれに早く気づかなかったんだろう。
勝手に安堵し、腑に落ちた私は御手洗から出て仕事に戻った。
あと数日は様子見で良いだろう。
気楽になった私の足取りも軽く、またデスクの目の前に来ると仕事というモンスターに立ち向かうのであった。
この時に、体調の変化があったのだからもっと早く病院に行けば良かったと後に後悔することになるとは思いもしなかった。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時