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「ねぇ、花見したくない?」

「…釘崎。今は時期じゃねーだろ。」

「でも今したいのよ!」

「俺もしたい!」




秋、肌寒くなってきた頃に僕の生徒達がそう話していた。




「…春まで待つか。」

「桜じゃ無いけど花の綺麗な良いとこ知ってるけど行く?」

「行く!」




生徒たちを抱えて、高専から見える山の頂上へ飛んだ。




「すご…なにここ!異空間みたい!」

「五条先生いいとこ知ってんね!」




あれからもう10年以上過ぎた。

僕にとっては最悪の死に方をされたけど、彼女が望むならそれでよかった。




「…ここなんか埋まってるんですか?」

「あー、僕の彼女が埋まってる。」

「え、」




彼女が息絶えた場所に、彼女の遺骨の一部を埋めた。

呪術師からは呪霊は生まれないというのは嘘なのだろうか。


今も気配だけがここに残った。亡霊?だろうか。姿も何も見えないけど。



手紙には私を忘れて新しい恋を、なんて書いていたけど忘れるわけないよね〜、

Aより好きな女なんてこの世に存在するのかな。




「さ、花見するんでしょ?」

「彼女埋まってんのにやりにくくない?」

「そんな気にすることないって〜、みんなが来てくれて喜んでんの。楽しませてあげようよ〜。」




落ち込んだ時、辛い時、疲れた時、いつでもここに来ている。

楽しい話をすれば花が喜んでるように見える。




「……愛してるよ、A。」




ほら、また花が喜んでるでしょ。

ほんと可愛いなぁ。




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くまこ(プロフ) - 蒼さん» コメントありがとうございます😭✨そう言ってもらえてすごく嬉しいです! (2022年2月9日 3時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
- とてもいい作品でした。夢主さんは綺麗な散りかたをしていて綺麗な作品だと思いました。(うまく伝わっていなかったらすみません) (2022年2月4日 22時) (レス) @page18 id: edd403d320 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月18日 0時

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