九話 ページ11
──不意のモブサイド──
俺はモブ。あの顔はいいのに頭は本当に残念な有馬Aの同じクラスだ。
「うん、そうなのか……ああ、ありがとう」
「いや、さっきの授業はちょっと寝ちゃって……さねみんには内緒に、ね」
こいつは本当に立ち回りが上手い。
誰とでもすぐにコミュニケーションが取れるし、持ち前の見た目の良さで幾人もの人間を落としてきた。
普通に話す分なら完全に勝ち組な人生を送っているのだろうと思わせる。
───普通に話すだけなら、な。
「おお、うずい〜!今日の美術は宇髄の股間を─ってまだ何も言ってないッッ」
「お前は既に戦犯を犯した。ド派手に散っとけ……あと先生付けろって何回いえば分かるんだよほんと」
見てのとおり、少し羽目を外せばこれだ。
だけど、
「玄弥くん、今日のお昼は母さんが作ってくれたんだいいだろう!!」
「おー、そうだな……ぅお、ほんとに美味そう……!卵焼きくれ」
「いくら玄弥でも俺の卵焼きを取ろうものなら君の命はここでおしまいだ」
「玄弥に手ェ出した時点でテメェの終わりは確定だがその辺問題ねェか?」
「ヤダッ、玄弥くん卵焼きならいくらでもあげるわよー!ほら、お食べなさい!さねみんもいかがかしらァッ」
「おー、うめェな。」
「クッ……俺の卵焼きがぁ……末代まで呪ってやる……」
「悪ィ悪ィ。これやるから機嫌直せよ」
彼は単純だ。
「うっ、嘘だろこれ……?!伝説のう○こドリ○……!!さねみん大好きかァァ!!」
「さねみんは兄弟が沢山いるから面倒見がいい。特に頭の撫で方は誰よりも秀でてるから皆無闇に頭撫でられない方が身のためだ……ッ」
頭を撫でてやればその整いきった顔を最大限弛めてニコリと笑う。
「うむ!Aは笑っていた方がいい!」
「本当だな。ほらド派手な菓子やるから美術室こいよ」
「全く、手のかかる……なあ、鏑丸」
「Aは馬鹿だけど、それでこそあいつのいい所が輝くんだ」
「(嫌いなわけが無い。あいつにはあいつのペースがあり、それを引き出すのが俺たちの)仕事だ」
「ふふ、そんなAが大好きなんだよね」
そんな彼だからこそ、皆から愛され、バカにされ、中心に居れるんだろう。
「あっ、教材全部置いてきたなあ……まいっか」
「「「殺す」」」
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カハラ(プロフ) - 天智就佐さん» いっぱいちゅき頂いたのでこれからも2828させちゃいたいです!!!有馬くんをよろしくお願いしますッ!! (2020年7月10日 19時) (レス) id: 7ae7a4b546 (このIDを非表示/違反報告)
天智就佐(プロフ) - いっぱいちゅき!(は?)凄い2828しながら読ませて頂いています!更新頑張ってくださいね! (2020年7月10日 2時) (レス) id: b2ae4e5a5c (このIDを非表示/違反報告)
カハラ(プロフ) - 茶々さん» 私も茶々様の作品大好きなので読んでいただいてるなんて思わなくて感激です‥‥!ありがとうございます!! (2020年7月9日 16時) (レス) id: 7ae7a4b546 (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - カハラさん» ファイトです!めっちゃ面白くて個人的に好きです!! (2020年7月9日 15時) (レス) id: cddebf05af (このIDを非表示/違反報告)
カハラ(プロフ) - シナモンさん» 無理してでも更新します!!()ありがとうございます私も好きです//!! (2020年7月9日 15時) (レス) id: 7ae7a4b546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カハラ | 作成日時:2020年7月9日 5時