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「松村くんっ」
『…なに?』
「さっきはありがと。お礼ってわけじゃないけど、これいる?」
俺の家は、パンを売っている。
家のパンを何個か取ってきて、袋に入れたものを渡した。
焼きそばパン、メロンパン、チョココロネの3つ。
「……パン。きらいだった?」
『ううん……もらうっ』
「そう、良かった。うちのパン、上手いべ?笑」
『家、パン屋なの?』
「ん。」
あまりにもじーっと袋を見つめるから、いらないのかと思ったじゃん。
俺が声をかけると、嬉しそうに袋を受け取った。
表情はあんま分かんないけど、嬉しそうだった。
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「あのさ、一緒に帰んねえ?」
嬉しそうにパンを開ける姿を見ると、無意識のうちに声をかけていた。
『…いいよ』
松村くんの家が、俺ん家の方向と同じことは知っていた。
あ、ストーカーじゃねえかんな?
北斗の幼馴染のきょもから聞いた。
いただきます、と呟きパンを頬張る松村くん。
ただのパンなのに、松村くんが食べるとなんか違った。上手く言えないけど。
……ただのパンなのに。
『おいしい、』
「そ?良かった」
成績優秀で運動も出来る松村くん。
学校での面しか知らなかったけど、案外可愛いとこもあんじゃん。
美味しい、美味しい、って言って食べるから、またあげようと思った。
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「松村くんはさ、何色が好き?」
沈黙が続いてるのを避けたくて、適当に質問した。
『……ふふっ、なんだよそれ笑』
『黒かな』
食べてたパンを飲み込んでから話すのを見ると、育ちの良さが見えた。
他に何話そう。
そんな事考えてると、頬が何かで濡れた。
………雨だ。
どうしようか困ってると、松村くんが鞄を漁り出した。
『…傘。無いの?』
「うん、雨降らねえってママ言ってたから」
『ほら、貸すよ』
松村くんは、鞄に2個も折りたたみ傘を入れていた。
黒と青。
『どっちがいい?』
黒好きって言ってたから、俺は青の傘を借りることにした。
『……もう家だ。傘は明日でいいから』
「うん、ありがと」
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松村くんに借りた傘をさして、家まで帰った。
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松 村 琉 杏 。(プロフ) - みにみらさん» 了解です!気長にお待ちくださいっ! (2020年2月13日 21時) (レス) id: c49a37ce14 (このIDを非表示/違反報告)
みにみら - hkがkymとjrに激しくされる激裏がみたいです…! (2020年2月13日 17時) (レス) id: 724f406f8a (このIDを非表示/違反報告)
松 村 琉 杏 。(プロフ) - こ こ あさん» 頑張ります!!気長にお待ちくださいっ♪ (2020年1月20日 21時) (レス) id: ca7e686aa0 (このIDを非表示/違反報告)
松 村 琉 杏 。(プロフ) - こちらこそです!またリクエストお待ちしてます!( (2020年1月20日 21時) (レス) id: ca7e686aa0 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星.(プロフ) - 松 村 琉 杏 。さん» ありがとうございます! (2020年1月20日 18時) (レス) id: 84f37707c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松 村 琉 杏 。 | 作成日時:2019年12月29日 11時