執事。 ((とらじゃ))

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｢はぁ…………、｣







ついに、お見合いの話がきてしまった。


お父様の取引先の息子さんで、
私と歳もそんなに変わらないらしい。








海斗｢そんなにため息ばっかりついてたら、幸せ逃げていきますよ？｣







｢もうとっくに逃げてるからいい。｣







海斗｢……………すみません、｣








それは何に対して謝ってるの？

なんて、素直に聞けたらこんなに悩んでないし。








｢…………宮近、｣








海斗｢はい｣








｢出て行ってくれない？｣








海斗｢………え、？｣








｢お願い。出てって。｣








海斗｢…………分かりました｣








悲しい顔をさせたかったわけじゃない。
ただ、1人になりたかっただけ。








｢……………かっこいいじゃん、｣








さっき貰ったお見合い相手の写真。
思ったより全然かっこよくて、ちょっとびっくり。









｢松田元太さん、｣








すごくモテそう。
この人のこと好きになれたら、少しは楽になれる？




…………そもそも、好きになれる？








｢絶対無理だよ、そんなの。｣








どんなにかっこよくても、優しくても
お金を持ってても、何でもできても。


宮近じゃないとダメなの。




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