第37話 ページ45
「なあ、少年。お前は自分が
気づいていることには大人も
気づいているはずだと
そう考えているのか?」
「そうだよ。悪い?」
目眩がした。
福沢は自分がかつて対峙したことも
ないほどの巨大なものと
向き合っていることに気がついた。
この子は何も判かっていない
この子が思うよりも遥かにずっと
"世間が判っていないということが
判っていない"
この子の目は"大人"達から見えるより
遥かに多くのものを見通している。
だが、そのことに
乱歩は気づいていない
一人っ子の乱歩が今まで
いた世界が"彼と互角の頭脳を持つ
両親に守られた世界"だったからだ。
だから乱歩は自分が
無知であると思っている。
「少年。俺について何を知っている?」
好奇心が抑えられず福沢は
乱歩の洞察力を知るため質問をした
「はあ?」
乱歩は変な顔をした。
「何って、逢ったばかりのおじさんだよ
無いも知らないよ。」
「なんでもいい」
福澤は云った。
「知っていること、気づいたことを
云ってみろ。もし俺の想定以上の
答えができたら、この次の仕事を
探す手伝いもしてやる。どうだ?」
「ええ......? 大人ってほんと
交換条件好きだよね...」
乱歩は不服そうな顔をしながらも
頷いた。
「判った。でも、本当に逢った
ばかりだし知ってることは
他の人よりすくないよ?」
おそらくそう思っているのは
乱歩だけだ。
「試してみろ」
ラッキーアイテム
麦わら帽子
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時