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第8話 ページ11

聞くところによると、女社長は今朝早く 、


自社ビルから突き落とされたのだという。


社長室の窓から、殺し屋の手で。


既に証拠は挙がっており、殺し屋も


拘束されているとのことだ。


福沢は当該のビルまで辿り着いた。


港にほど近い、赤茶けた煉瓦造の


建築物だった。


坂道を登ったところにある建物で、


古いが造りは堅牢そうだ。


ビルに入る途中、歩道の脇、社長室の真下の


地面に立ち入り禁止の粘着帯が


貼られているのを見つけたのだ。


その日は強風だった。


黄色い粘着帯が風にはためいてばたばたと


鳴っている。福沢は目を逸らした。


社長の遺体は既に引き取られ


鑑識に回されているが


アスファルトの路地には隠しきれない


血痕が残っていた。福沢は感情を殺して


落下現場を通り過ぎ、


「株式会社S・K商事」と


書かれた看板の下を潜った。


昇降機で社長室へ向かう。


「やあご足労頂いて済みません。
少々お待ち下さい、すぐに済みますので」


辿り着いた社長室では、秘書が何やら書類の


山と格闘していた。


それはおおよそ殺人現場には似つかわしくない


眺めだった。ぎゅうぎゅうに詰めれば


三十人からの人間が入れそうなほど


広い社長室には、人の代わりに所狭しと


書類が並べられている。


机にも床にもびっしりと、ほぼ隙間なく一面が


書類で埋められている。見たところどれも


重要な書類のようだ。


その書類を並べていたのが


先の発言をした秘書だ。


黒い長外套を着て、


深い赤のネクタイを締めた、


顔色の悪い男だ。


書類の平原を睨み、いくつか取り出して書棚に


戻し、また新たな書類を並べている

第9話→←探偵社設立秘話 第1章 出会いは偶然か必然かはたまた運命か 第7話


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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

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