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ある休日。毎週の楽しみであるスイーツバイキングを楽しんだAは、お釣りを財布にしまって、店を出た。すると、街中で珍しい人物に出会った。
「ロボロさん!!」
「あ、A!」
タタッと駆け寄ってきたロボロに、Aは珍しいですね。と小声で言った。
普段、モニタだらけの薄暗い部屋で仕事をしているロボロが部屋から出てくることは滅多にない。ロボロは、今買ったばかりであろう本を片手に、ポリポリと頭を搔いた。
「たまには外出るものええなって」
「おや、ロボロさん。その本は……?」
「世界史の本やけど。調べ事があってな、ネットにはあらへん情報やったから、わざわざ買いに来てん」
ロボロがそう言うと、Aは眉を下げて、悲しそうに言った。
「世界史なら、寝付くまで私がお話してさしあげるのに」
「Aの話は情報量多いねん。」
「そうですかね」
とはいえ、自覚はあるらしく。それ以上は何も言わなかった。
「ロボロさんは、なんで我々国でこの仕事をしているんですか?」
Aが聞くと、ロボロはへぇ、と驚いたように声をあげた。
「Aでもそう思う事あるんや」
「人間ですから」
「俺は、元々機械には精通してたんやけど、趣味でいじくりまくっとったら、我々国軍の情報ハッキングしてもうて。死罪になる所をグルッペンが助けてくれたんよ」
「中々強烈ですね」
「お前に比べたら可愛い方やろ」
そんな話をしていると、基地に通じる一本道の前で、たむろしている男たちが居た。うわぁ、と2人は同時に顔を顰めた。
「なんだ、お前ら」
こっちのセリフだ。と言いかけたAとロボロ。しかし、心の中で留めて、ロボロは通してくれや。と優しめに言った。
「あぁ!?誰に口聞いとんじゃワレェ!!!!」
「女だけ置いて坊やは帰んな」
男が放った言葉に、Aはあっ、と声を漏らした。横目でロボロを見ると、彼は左足で踏み切り、右足を大きく振り回して、男達の首を蹴り飛ばした。その蹴りが強烈だったのか、男たちは全員伸びきってしまった。
ポケーとするAに、はよ行くで。と自慢げに言い、男達を踏みつけて先に進んだ。
「誰が坊やや!!!殺すぞ!!!」
「殺してますね」
「せやけど。ほら、あるやん」
「?」
基地に帰った2人に、グルッペンは額に手をやり少しの説教をした。
「何故Aはいつもトラブルの渦中に居るんだ」
「知りません」
「そしてロボロ。何故お前は殺したんだ」
「俺をガキ呼ばわりした」
「はぁ」
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蒼 - ページ40の話の上から11行目(文字が開いて行数で書かせていただいております)zm様の言葉が、「分かった!!行ってくる!! という表記になっております。細かくて申し訳ないです。ごめんなさい。 (8月24日 3時) (レス) @page40 id: 7197a413b4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - え……え????いや、これは訳ありパターン…続編も楽しみにしてます! (2021年3月30日 17時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - え、夜ダメとか可愛いかよ((( (2021年3月30日 14時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コメント失礼します!64がなにもない状態で公開されちゃってます!あれ?私が見えてないだけでしょうか…間違いでしたらごめんなさい。 (2021年3月27日 17時) (レス) id: 0c3a2b2511 (このIDを非表示/違反報告)
小茶丸 - 続編おめでとうございます!続きが楽しみだぁ! (2021年3月23日 23時) (レス) id: dd1575ae33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月22日 18時