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ある日の昼、休みを取ったAは、部屋でエミと一緒に寝ていた。すっかり足の治ったエミは、今では元気にAの部屋の破壊活動に勤しんでいる。
「……どこにも行かないでね。エミ」
普段なら、何かしらの返答として、ニャーと鳴いてくれるのに、今日だけは真顔でAを見つめていた。
「……そろそろか」
エミは、今14歳という事が分かっている。猫の平均寿命は15.5歳。そろそろ迎えが近いのだろう。何となく、今日でお別れになる気がしたAは、最後にエミを抱き締めた。
「今日、どこか行くの？」
Aが聞くとエミはニャッと笑った。
「そっか。気をつけてね。……2週間しか一緒に居れなかったね」
悲しげに言うAの手の甲を、エミは引っ掻いた。
「痛っ、……エミ？」
ペロッとその傷を舐めたエミは、ベッドから降りて、床に横たわった。息はしているので、寝ているだけだと安心し、Aもそのまま眠りについた。
翌日、目が覚めた時には、エミは居なくなっていた。Aは分かりきっていたように、そっと引っ掻き傷を撫でた。
猫は、死に目を飼い主に見せないらしい。
「……エミ」
どこかで死んでいて、気づかれないのは可哀想だと、Aは部屋を飛び出した。廊下で幹部とすれ違おうとも、挨拶だけして外に出た。
「エミ」
そう呼んでも、いつも返ってくる鳴き声はしなかった。Aは、少し考え込んだあと、訓練場の裏にある、少しの空き場所へ向かった。草むらを掻き分けて進むと、エミが幸せそうに寝ていた。息をせずに。
「ありがとう」
エミの遺骸を抱き上げたAは、総統室へ向かった。
「グルさん。死亡届です」
「……やはり、近かったか」
「ええ。最後を見届けられ無かったのが唯一の悔いです。……中庭の外れに埋めてもいいですか」
「構わない。焼いとけよ」
「勿論です」
部屋を出てったAは、そっとエミを撫でた。
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蒼 - ページ４０の話の上から１１行目（文字が開いて行数で書かせていただいております）ｚｍ様の言葉が、「分かった!!行ってくる!! という表記になっております。細かくて申し訳ないです。ごめんなさい。 (8月24日 3時) (
レス) @page40 id: 7197a413b4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - え……え？？？？いや、これは訳ありパターン…続編も楽しみにしてます！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - え、夜ダメとか可愛いかよ((( (2021年3月30日 14時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コメント失礼します！64がなにもない状態で公開されちゃってます！あれ？私が見えてないだけでしょうか…間違いでしたらごめんなさい。 (2021年3月27日 17時) (レス) id: 0c3a2b2511 (このIDを非表示/違反報告)
小茶丸 - 続編おめでとうございます！続きが楽しみだぁ！ (2021年3月23日 23時) (レス) id: dd1575ae33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月22日 18時
