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参謀室を出たAは、自室に戻った。部屋に散らかったままの資料を拾い、元あった場所に戻す。トントンが調べてくれた成分表も、今後使う可能性があるので、毒についてまとめてある資料の場所に挟んでおいた。

すると、棚の上から1枚の資料が落ちてきた。数年前、新たに発見された花についての資料だった。懐かしいものを見つけたな。とどこか遠い目でAは落ちてきた資料を戻した。

昔、まだAがF国に居た頃の話。参謀として働いていたと同時に、奴 隷のような扱いを受けていた。どうにかしてF国を滅ぼすため、色々計画を練っている最中に見つけたのが、その花だった。見たことの無い花だったので、上に提出すると、新種の花だと発覚した。

しかし、Aの存在を隠したかったF国は、それをF国の幹部の手柄とした。

特にAは気にしていないが。



懐かしい思いに浸っていると、窓の方から音がした。音のした方へ目を向けると、1匹の猫が窓枠に座って震えていた。急いで駆け寄り、窓を開けると、猫は室内に入って、図々しくベッドの上を陣取った。

(生意気な猫……)

しかし、どこか愛くるしさを感じたAは、猫に手を伸ばした。すると、猫はAの手に擦り寄って、ニャー、とか細く鳴いた。

猫がベッドから動くと、ベッドシーツに血が着いた。どこか怪我しているのかと、猫をひっくり返すと、足から出血していた。

持ち前の知識で止血し、綺麗に手当すると、猫は嬉しそうにまたニャーと鳴いた。その姿に心奪われたAは、猫を抱えて総統室に向かった。

「総統閣下!!!」

「うお、びっくりした。……ん、猫!?」

「はい。猫です。許可下さい」

「……お前にも、愛玩動物を欲する心があったんだな」

「はい、いいですか?」

「勿論だ。……あと、総統閣下とかいう堅苦しい言い方やめないか?」

「では、なんと呼べと?」

「グルッペンとか、グルさんとか、グルッペンさんとか……色々あるだろ」

グルッペンの言葉に、Aは小さく、グル、さんと言った。目を開いて固まったグルッペン。

「そっちを選ぶか」

「その方が、短くていいじゃないですか」

「ああ、そういう事か。……ふっ、じゃあな」

「はい。ありがとうございます。グルさん」

そう言って部屋を出てったAの後ろ姿を見て、グルッペンはククッと笑った。

「中々の破壊力だな」

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- ページ40の話の上から11行目(文字が開いて行数で書かせていただいております)zm様の言葉が、「分かった!!行ってくる!! という表記になっております。細かくて申し訳ないです。ごめんなさい。 (8月24日 3時) (レス) @page40 id: 7197a413b4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - え……え????いや、これは訳ありパターン…続編も楽しみにしてます! (2021年3月30日 17時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - え、夜ダメとか可愛いかよ((( (2021年3月30日 14時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コメント失礼します!64がなにもない状態で公開されちゃってます!あれ?私が見えてないだけでしょうか…間違いでしたらごめんなさい。 (2021年3月27日 17時) (レス) id: 0c3a2b2511 (このIDを非表示/違反報告)
小茶丸 - 続編おめでとうございます!続きが楽しみだぁ! (2021年3月23日 23時) (レス) id: dd1575ae33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月22日 18時

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