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第7話 ページ10

「あぁ、それはオレからのギフトだ。
A、爆弾みてぇなスキル持ってるだろ」

爆弾…身代のことだろうか。確かにこれはかなり使い勝手が悪い。自分の身に相手の怪我や疲労を移したところで回復するわけじゃないから…でもこの自己再生があればかなり使えるようになるんじゃないか?
《身代と自己再生を組み合わせることで、ほとんどタイムラグなしに相手の傷を治癒することが出来ます。》
まじか!めっちゃ強いじゃん!

「ありがとう、ギィ!とても助かるよ!」
「構わねぇよ、友のためだ。
オレのスキルの下位互換みてぇなもんだが…使い勝手がいいからな。やるよ。」

他の強化されたスキルたちの確認は里に帰ってからだな。
などとそんなことを考えていた私にギィが言った。

「…A、1つ約束しろ。
オレはこの世界で最強の座に位置している。そんなオレの友になると言うのなら、誰にも屈するな。誰の下にもつくな。頭を垂れるな。常に強者であり続けろ。」

ギィは真っ直ぐ私を見ていた。
それは、お願いなどという優しいものではない。
試しているんだ、私を。自分が気に入った相手を。

「あぁ、分かったよ。約束する。」

そう言って私も真っ直ぐギィを見た。
ギィは満足したようで、笑った。



かなりの時間が経ってしまっていた。
やばい、夕飯時に遅れると爺に何言われるか…。

もう帰る、とギィに伝えると、そうか、と少し残念そうに言った。また遊びに来る、と言うと嬉しそうに笑った。

それが私と最強の魔王、ギィ・クリムゾンとの最初の出会い、そして私たちが友になった日だった。



寒い地域を抜け、影から姿を現したアクトに乗って全速力で帰っても夕飯時には間に合わなかった。が、皆朝とは比べ物にならないほど増えた魔素と私の雰囲気から何かあったのだと察してくれた。私が全て話すと、皆驚き、口を揃えて私が無事だったことに安堵していた。
ギィは私が思っていた以上に有名で、恐れられているらしい。
…爺だけは反応が違って、しこたま叱られた。明日の稽古は3倍にするらしい…心折れそうだ…

夕飯を済ませた後。
…A=クリムゾン
改めてその名前を噛み締める。
私は今日からこの名前を背負って生きていくんだ。
そう思うと、少し、心が踊った。

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ミィ - 16話なんですが、戦いを先に仕掛けた(?)のは、オーガの方だと思います。アニメを見れば、若(紅丸)が『はやとちりをしてしまった。』『許してくれ(セリフ全く違うけど意訳的な)』って言ってたから仕掛けたのはオーガだと思います。私もアニメを見て (11月15日 16時) (レス) @page19 id: cc284cb664 (このIDを非表示/違反報告)
紅白の巫女 - めっちゃ続いてるんだ…すごい。まだ途中だけど恋愛要素あるんですか? (11月9日 13時) (レス) @page8 id: ecef28fcbd (このIDを非表示/違反報告)
おもろー - 38話の上から4行めが、リザードマンではなくリザードンになっています。おもしろーー!!ー!ー (11月8日 21時) (レス) @page42 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
ウニャ - 守護者は(マモルモノ)ですか? (2022年7月8日 18時) (レス) @page4 id: cef953226b (このIDを非表示/違反報告)
ウニャ - 助言者は(タスケルモノ)ですか? わからないんです、教えてください! (2022年7月8日 18時) (レス) @page2 id: cef953226b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬこ | 作成日時:2021年8月30日 22時

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