snow snow snow 2（ × Snow Man ）

＊ ページ32

＊


『だれとでもキスをするのか』


そう言われると、なんとも言えない。

まぁ、確かにそうかもしれない。



実際、メンバーの何人かとはしたことあるわけだし。
しようと思えば、誰とでも出来る気もするし。

でも、それはメンバーだから。




「メンバーは家族みたいなもんだから。」

「・・・家族？」

「うん、そう。家族だもん。だから、できるの。」




ねぇ、なんで今度はそんな顔するの。
そんな悲しそうな笑顔浮かべないでよ。

その笑顔は涼太らしくない。




「そっ・・・か。わかった。」

「りょうた？？」

「わかったから。・・・ごめん、ちょっと、声、荒げちゃったね。」



怒ってるわけじゃないよ。って、いつもみたいに頭をポンポンと撫でてくれた。
涼太は、たまにこうして俺の頭を撫でてくれる。
「いいこいいこ」されているみたいで、俺は嬉しいんだけど、
今日のは何かが違う気がした。





「・・・ごめんね、佐久間。俺、」

何かを言いかけた涼太。


でも、その声を遮るみたいに、翔太が俺たちを呼びに来た。
撮影もうすぐ始まるよって。



「すぐ行く！！・・・行こう、佐久間。」

笑顔でそう、促してはくれたけれど。
なんか涼太、変だよ。


ほら、翔太だって、涼太の表情が曇っていることに気付いてるじゃん。

翔太はすかさず涼太の横を歩き出し、様子を伺ってる。

さすが、幼馴染。翔太の顔には『心配』って書いているみたい。
その関係性、なんか羨ましい。



いいなぁ、って思うと同時に、
胸がチクチクした。



なんだろ、このチクチク。
そう言えば、前にもあったな。

あの時は、涼太と翔太が二人にしか分からない幼稚園の話を楽しそうにしてたんだっけ。




でも、まぁ、いいや。

あとで、涼太にキスしてもらおう。



そうしたら、このチクチクも治るはず。

前の時もそうだったもん。

なんてったって、俺たちは『キスフレ』だもん。




撮影終わりに涼太を食事に誘おう。
俺、何か悲しくなることしちゃったのかもしれないし、謝ろう。

そんで、仲直りの印にまたキスをしよう。



やった！！今日はいっぱいキスできる理由がある。



撮影中、このあとのことを考えれば、
ずっとウキウキした気持ちでいられた。

涼太とのお食事からの仲直り、からのキス。



それなのに。




その日以来、

なぜか、涼太が俺にキスすることは無くなってしまった。







＊

長いのでぶったぎり。続く(予定)。

＊

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