snow snow snow 2（ × Snow Man ）

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一つだけ、涼太が『できる』と頷いてくれないコトがあった。
それは、同じゆり組の双子の女の子、エミちゃんマミちゃんと4人で遊んでいた時のコト。


「翔太くん、大きくなったらわたしと結婚してくれる？」

小さい子の結婚のお約束。

仲良しの双子のエミちゃん(多分お姉ちゃん)に言われて嬉しかったコトもあり、
俺は素直に頷いた。

結婚しても、涼太と一緒にいたいと思った俺は、
すぐそばにいた涼太にこういった。

「じゃぁ、涼太くんとマミちゃんも結婚しなよ。
　そうしたら、ずっと一緒だね。」


俺の言葉に、マミちゃんは嬉しそうに頷いたけれど、
涼太は困った顔をしていた。

「涼太くん、指切りげんまんしよ。」

笑顔のマミちゃんにそう促されると、
涼太は、少し言いにくそうに『ごめんね。』っと小さく言った。


「ぼく、マミちゃんとは、けっこんできないよ。」


幼稚園児のお約束事だ。
マミちゃんは、もちろん『イエス』の答えが返ってくると思っていたはずだ。

それを、バカ真面目に、涼太は5歳ながらに考え『ノー』の答えを告げた。
もちろん、マミちゃんは大泣き。


あまりに大きな泣き声に、先生もお友達もみんな集まってきて、
何があったの？どうしたの？と、マミちゃんを慰めた。

でも、涼太はなぜそうなったか誰にも言わなかったし、
そして、俺にしてくれたみたいに、手を握ることも抱きしめることもしなかった。

あんなに誰にでも優しい涼太がだ。




その光景がとても意外で、鮮明の覚えていて。

今にもたまに夢に見ることがある。





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