snow snow snow 2（ × Snow Man ）

君が嘘をついたなら（dt×nb） ページ21

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※ゆり組オンリーの方は読まれないようお気をつけください。
　『特別』の続き。みたいなもの。これだけでも読めます。




-nb-






小さな頃から、目立つのが好きだった。

と、いうか、何もしなくても目立つほうだった。


顔も可愛かったし

明るかったし

人懐っこい性格だったし。




そのせいか、自分以外の誰かがちょっとでも注目を集めるのが嫌だった。

今思えば、ジャイアン気質だったような気もする。




だから、他の誰かが話題の中心になっていると
自分の方に注目して欲しくて
少しだけ、大げさに物事を話す癖があった。


こどもなりに考えて面白くしようとしてたんだよ。
ほんのちょっと盛っているというか。


何度かそれを繰り返したある日、
同じゆり組の男の子に『嘘つき』っといわれた。


嘘をついているつもりはなくて。
すごくショックで。

だって、『嘘つき』は悪い子だって教えられてたから。




初めて言われた時、
幼稚園で大泣きした。

悪い子になった自分のことなんて、きっと誰も好きじゃない。
サンタさん、今年は来てくれないかも。
この前テレビで見た、なまはげっていう鬼さんがくるかもしれない。
パパもママも僕のこと嫌いになって、おうちに入れてくれないかもしれない。


どうしよう。

どうしよう。



悲しくて、怖くて、どうしようもなくて。


そんな不安に泣き叫ぶ俺を慰めてくれたのは、
よく一緒に遊んでいた涼太だった。



「泣かないで、翔太くん。」

小さな丸っこい手で、俺の頭を優しく撫でてくれる涼太に
俺はえずきながら嘘はついてないと訴えた。

嫌われたくなくて。ひとりぼっちになりたくなくて。




”涼太くん、ほんとだよ。”って、
”ちょっと盛ってるだけだもん。”って。


まぁ、その頃は、大人の使う『盛る』って意味すらわかっていなかったけれど。


”そうだね”って、
”翔太くんはいい子だもんね”って。

今とはまったく違う、高い声で言われて安心したのを覚えている。

”きらわないで” ”ひとりぼっちにしないで”
と、泣き叫ぶ俺に、涼太は”大丈夫だよ”って抱きしめてくれた。


”僕は翔太くんのこと大好きだよ”って。
”ずっと一緒にいるからね”って。

泣き止むまで本当にずっとそばにいてくれた。

涼太は、昔から優しかった。
俺に特別なわけではない。
誰にでも優しかった。

母親が迎えに来る頃にはすっかり泣き止んでいたけれど、
それでも、涼太と繋いだ手は離せなかった。


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