ボクラノ Love Story (ページ9)

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それからしげとの入院生活が始まった。シゲは明るくてホンマに病気なんか疑うくらい元気で毎日俺に話しかけてくる。たとえシゲが体調が悪かった日でも。
しげは急性リンパ性白血病っていう病気で俺も急性骨髄性白血病やから同じ白血病やった。

赤「なぁ、神ちゃん。中庭行こうや。」

緑「明日から抗がん剤治療なんやろ？安静してなあかんよ。しげには初めての抗がん剤なんやから。」

赤「すぐ帰ってくればええやん。神ちゃん！一生のお願い！」

緑「しゃないなぁ…少しだけやで？」

結局しげのお願いを聞いてしまった俺はあの日と同じように看護師さんにバレないように中庭へ向かった。

赤「やっぱ外の空気はちゃうなぁ…神ちゃんと中庭来るとやっぱ出会った日を思い出すなぁ…」

緑「そやなぁ…ってかしげ、なんであの時病院来てたん？」

赤「風邪がなかなか治らんくてな。別に俺はそのうち治る思ってたんやけどオカンが心配して連れてこられてん。」

緑「俺は学校でテスト受けてたらいきなり鼻血が止まくなってな。救急車で運ばれて気づいたらここに入院してたわ。」

赤「そうなんや。大変やったなぁ…よし、そろそろ戻らな看護師さんに怒られてまうよな。」

としげが立ち上がった瞬間しげが固まりしゃがみこんでしまった。

緑「しげ？どした？」

赤「ん…待ってな…ちょっと目眩がするだけやから…」

緑「看護師さん呼ぼか？」

赤「まっ…て…呼ん…だら…かみ…ちゃんまで…怒られてまうやん…すぐ…おさまる…から…先に部屋で…待っててや…」

緑「俺は怒られ慣れてるから別に平気や。それよりしげが心配やから呼ぶな。後で一緒に怒られような。」

その後看護師さんに助けを求めしげの処置が行われた。しげと俺はしばらく中庭へ出入り禁止になった。

白血病というのは進行が早い。抗がん剤をもう数えるのが大変なくらいやってきた俺だけどその抗がん剤がだんだん効かなくなってきた。

医「耐性がついてきたのかもしれないね。次からは別の薬にしてみようか。」

緑「…はい、お願いします。」

月に1回の先生と面談して今後の治療について相談している。

病室に戻ると抗がん剤治療中で発熱中のしげが眠っていた。しげは俺より後から入ったのに進行が速く俺とほとんど同じステージに入っていた。

緑「しげ、俺また違う薬使うんやって。正直もう楽になりたいねんな…」