ボクラノ Love Story (ページ47)

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桃side

しげの余命からそろそろ1年経つ頃の俺は心臓のドナー登録を待っていた。元気な日は少ないけど元気な日はしげに会いに行きたかった。けど点滴スタンドを押して歩く体力は無くて看護師さんにしげに会いたいと伝えたけどしげの元へ行けることは無かった。そんなある日看護師さんが走って俺の病室へ来た。

看「小瀧くん車椅子乗って！重岡くんの所行くよ！」

桃「え、分かりました…」

嫌な予感を感じながらしげの病室へ着くとなんとも暗い雰囲気に包まれていた。しげは呼吸器も何も着いてなく眠っていた。

赤母「大毅、よく頑張ったね。お疲れ様。」

しげは2度と目を覚ますことは無いと察した。俺はしげの手を握って泣きながら精一杯ありがとうを伝えた。

桃「…しげ…ありがとうな…」

赤母「小瀧くんも来てくれたで。良かったなぁ…」

それからはずっと泣いていた。食事も喉を通らずずっと泣いていた。翌日看護師さんに呼ばれ談話室へ行くとしげのおかんが座っていた。

医「重岡くんの心臓が臓器提供されることになったんだ。それで重岡くんの心臓が小瀧くんに移植することに決まったんだ。」

ドナー登録をしている移植希望者の中から、医学的に最も適した人がコンピューターを用いて公平に選ばれる。

桃「ええんですか…俺で…」

赤母「その方が大毅も安心すると思う。大毅の心臓貰ってあげてや。」

桃「…分かりました。しげのお母さんありがとうございます。」

俺の心臓移植は明日に決まった。しげのおかんと別れて看護師さんに中庭まで連れて行って貰って1人にしてもらう。
これから眩しいくらいの未来がこの先に待っていても俺1人きりで迎えもなんの意味もないんや。

桃「しげー！！」

名前を叫ぶよ、しげの名前を。今でもここに居るよ、聞こえてるかな。