ボクラノ Love Story (ページ44)

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赤side
俺と小瀧が出会ったのは病院の売店だった。俺はもう幼い時からここの病院に入院していてこの日も唯一楽しみにしてた漫画を買いに来ていた。けど今日はどこにもなくて売店の石谷さんに声を掛けた。

赤「石谷さん、今日漫画って…」

石「あっ、さっきの男の子が最後の1冊だったなぁ…ほら、今出ていった男の子だよ」

赤「ありがとう！すぐ追いかけるわ！」

石「しげちゃん！走ったらまた怒られる…って行っちゃった…」

俺は走ってその男の子の後を追った。看護師さんに怒られたけどいつもの事やから気にしない。

赤「ちょっと！」

桃「…なにか？」

赤「その漫画読み終わったら貸してくれんか？俺の前の漫画も貸したるから」

桃「え？！ほんまですか？！」

赤「おん！勿論ええで！俺の病室でええか？」

桃「あっ、病棟がもしかしたら違うかもしれない…看護師さんに伝えないと…」

赤「俺の病室の看護師さんに伝えとくから大丈夫やで」

桃「ありがとうございます！」

赤「じゃあ俺の病室で行こかー。」

漫画のおかげで俺と小瀧は友達になった。それからは毎日、小瀧の病室に遊びに行って漫画を読んだり俺の病室でカードゲームをしたり、中庭で話したり。幸せな日々やった。でもそんな日々もずっと続くわけじゃなかった。神様って居らんのやなって思った。

医「がんが全身に転移しています。」

赤「…じゃあもう治療法は…ないって事ですか」

医「今の治療法を続けて行くしかないかな。」

赤「そうですか…余命とかって分かるもんなんすか」

医「1年くらいかな…僕も出来ることはするから一緒に頑張ろう」

赤「…はい。ありがとうございます。あっ、じゃあこれ…」

医「ドナーカード…御家族はいいって？」

赤「家族は大反対してた。でも自分の身体なんやからって。」

医「そっか…臓器提供の詳しい話聞いておく？」

赤「そうしようかな。俺も一緒に聞いてもええよな？」

医「もちろん。じゃあ予定が決まったら声掛けるから御家族にも知らせてね。僕も重岡くんが元気になれる治療法探すから…」

赤「先生、そんな暗い顔せんで！まだ俺生きれるんやろ！最期まで笑顔でいたいから先生も笑ってや！」