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大学では、実家が花屋だなんて周りのみんなは知らない
教えることでもないと思うし、なぜか言いたくもなかった
自慢するようなことではない
小学生の女の子にとったら、お花屋さんなんてなりたい職業の上位なのだろうけれど
私は大人になっていくにつれて、花屋が嫌いになった
2人の愛は、私より花へ
そんなことに愛情をかけるなんて、おかしいと思った
時々、花に話しかけている母を見かけて顔をひそめていたことを思い出す
私にはくれない、優しい口調
あの人たちはおかしいのだと、どこか勝手に決めつけていた
「A〜」
後ろから名前を呼ばれて振り返ると、聡が今日もとびきりの笑顔を向けていた
「おはよう」
「おはよ、なに、元気ないじゃ〜ん」
彼はいつもいつも、楽しそう
きっとすごく、人生を真面目に生きているんだろうな
「ねぇ、レポート終わった？」
「ぜんっぜん、手もつけてない」
「来週だよね、やばいよ」
「やばいねぇ…」
まるで他人事みたいにそう呟いて、机に倒れ込む
人生って、つまんない
こんなふうに毎日が過ぎていって、仕方がないからお金を稼いで、楽しみもないから花に話しかけるようなおばさんになっていくんだ
人間って、愚かだ
「ぁ、瞳〜ぃ」
教室に入ってきた友達に気づいて情けない声を漏らす
彼女は、大学で唯一私のことを全て知っている親友
密かに健人くんに想いを寄せているらしい
「ねぇレポート、私のもやってよ〜」
「ダーメ。しっかりやんなさい」
時々お母さんみたいになる瞳は、少しだけ健人くんに似ていると思った
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
