エ イ ト も の が た り

12 ページ12

すばるsaid
章大が家に来てからというもの
いつもに増して亮も忠義もうるさくて
勉強所やないし、何かに集中すら出来ない。

章｢しょーたおうち言っておもちゃとってきてええ？｣

亮｢りょーも行く！｣

忠｢たぁも！｣

す｢何やねん。まぁもう外も暗いし俺も着いてく。｣

さすがに裕も帰ってきてるやろ。
久々に弟とも会えるやから
きっと喜んでくれるやろな。
そんなことを考えていると家に着いた。
まぁ横やしすぐ着くんやけど…
リビングに明かりが着いてるってことは
もう帰ってきてるな。良かった。

す｢章大、裕帰ってきてるで。｣

章｢ゆーくん会える？｣

す｢うん。｣

章｢やったー！ゆーくん！｣

亮｢よかったな。｣

忠｢たぁも！よかったな。｣

亮｢なんで真似すんねん。｣

忠｢なんで真似すんねん。｣

章｢ゆーくん久しぶり！｣

最近はこんな感じで
忠義が亮の真似ばっかして怒られてるんやけど
今は章大のあまりにも嬉しそうな声に
モノマネ大会は終わった。

ｶﾞﾁｬ
す｢入るでー！｣

章｢ただいま！ゆーくんの靴ある！｣

亮｢リビング明るいからリビングやろ！｣

忠｢たぁも！｣

忠義なんて靴脱ぎっぱなしで行ってまうし…
の割に帰りになると『たぁのだけぐちゃぐちゃ』
って怒るねん。矛盾の塊やわ。
しゃーないから俺が整えてると

亮｢すばるくん！来て！早く！｣

という亮の切羽詰まった声と
章大が裕の名前を呼ぶ声と
忠義の泣き声が聞こえた。

章｢すばるくん！ゆーくん！ゆーくんが！｣

す｢裕分かるか？…アカン過呼吸や。袋…｣

とりあえずビニール袋を口に当ててたんやけど
裕の意識が完全に無くなってもうて
俺の膝の上に思っきり体重がのしかかった。
どないしよ…今日オカンは子供会の集まりやし
オトンは帰ってきてないし…
でも救急車呼ばな！どうすればええねん。

消｢はい。こちらは○○消防です。
火事ですか？救急ですか？｣

す｢あっあの…か、過呼吸。
で倒れたんです。とっ友達が。
えっと…その意識なくて。｣

消｢分かりました。住所は分かりますか？｣

す｢はい。｣

俺の家の住所とひとつしか変わらないから
住所はすぐに言うことが出来た。
救急車もすぐに来てくれるらしいけど
亮たちをどないすればええんやろ…

章｢ゆーくん…ｸﾞｽﾞｯ｣

亮｢お医者さん来るん？大丈夫やんな？｣

忠｢うぇーん｣

す｢大丈夫やから。俺着いてかなあかんから
いい子で待ってれる？オカンに伝えたから
もうすぐオカン帰ってくるから。｣

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す