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忠義said
ヤスが帰って寂しくてたまらなくなった。
八つ当たりやんな…ヤスはなんも悪ないのに。
抗がん剤の副作用が
自分を変えてしまっているようでホンマに怖い。
助けてって言いたかったのにヤスに怒ってしもた。
そんなこと…したないのに。
口の中は口内炎だらけやし
ずっと吐き気はするし
頭も痛いし
それでも耐えてきた。
なのに…自分自身も髪が抜けるのでここまで
精神がおかしなるとは思ってなかった。
せっかく来てくれたから話したいのに
傍におって欲しいのに
自分が情けなくてしょうがなかった。
なかなか寝付けないまま気づいたら朝やった。
ーガラガラ
看「大倉さーん。ごはん食べれますか?」

忠「いらないです…」

看「顔色悪いですけど、ちゃんと寝ました?」

忠「寝れなかったです…」

看「とりあえずしっかり休んでくださいね。
何かあったら呼んでくれればすぐに来ますから。」

忠「…はい」

看「失礼します」
ーガラガラ
信「たつ!」

忠「信ちゃん?」

信「たつ…寝れへんのか。」

忠「昨日…ヤスにひどいこと言ってしまったんよ。

昨日な?とうとう髪が抜けたんよ。

その直後にヤスが来てくれて

八つ当たりしてもうた…

ヤスは…悪ないのに。」

信「そんなん簡単やんか

そないしたら、

そのまんま思ったこと言えばええねんから。

ヤスなら分かってくれる。たつも分かっとるやろ?」

忠「うん…」

信「やったら伝えな?」

忠「へっ?」

信「入ってええでー!」

ーガラガラ

章「大倉…」

忠「ヤス?」

章「あの…

忠「昨日はホンマにごめん。

あんなこと言いたかったんとちゃうねん。」

章「うん、ええよ。

俺こそ辛さも分からないのにごめんな。」

忠「ヤスが謝ることないって。

…俺な、怖いねん。

みんな、いなくなってまうんやないか。

俺のことが嫌になって

お見舞い来なくなってまうんやないかって。

どんどん出来ることが少なくなってまうのが

分かるから怖くて

あと…いつ死んでまうか。」

章「たとえみんなが大倉のこと嫌いになって

お見舞いに来なくなっても

俺は大倉のそばに居る。

だから大丈夫や。

なんかあったら俺が聞く。

いつでも言って欲しい。

俺は…大倉の力になりたい。」

忠「ヤス…やっぱヤスは優しすぎんねん。」

章「なんやそれ笑」

信「よっしゃ。これで仲直りや。頑張ったな。」


もっとこの人たちと
笑っていたい
もっと生きたい
もう一度だけ
もう一度だけでいいから
みんなの顔が観たかった

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作者名:黄色担 | 作成日時:2019年10月17日 23時

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