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亮said


飛行機での移動中は
自分でもわかるくらいの
自己嫌悪に陥っていた。

ずっと仁が話しかけてくれていたけど、
何を言ってるか聞くことさえも
しようとは出来なかった。

手には大倉と沖縄に来た時に
大倉がめっちゃ美味いって
言ってたくさん買っていたお菓子。

少しでも喜んで欲しかった。

飛行機の移動時間がとてつもなく長くて
気を紛らわせるために寝ようとも思ったけど
やっぱり寝られなくて
自分との戦いだった。


東京に着くととにかく急いで大倉の病院へ行った。
これだけ急いできたのに
いざ大倉の病室に入ろうとすると
足がすくんで入ることが出来ない。

大倉は俺にあったら俺を怒るんだ
大倉は俺のことが嫌いなんだ
大倉は俺のことを憎んでるんだ
大倉は俺にもう会いたくないんだ


でも…大倉がそんなこと言うなんて想像できない


…そんなやつじゃない

仁「亮…入れよ」

亮「う、うん」

もう、意を決してドアを開けると
大倉がこっちを向いた。

忠「亮ちゃん?」

大倉の声や。
確かにあの、大倉の声。

でも、なんで俺ってわかるんや?

亮「…そうやけど。」

忠「やっぱり!
あのね、俺足音とかで
誰か分かるようになったんよ!凄いやろ?」

亮「…うん」

忠「なぁ、亮ちゃん…」

亮「なに?」

忠「俺な
亮ちゃんのせいでここまで酷くなったんよ。

亮ちゃんのせいで忙しくて

毎年行ってた人間ドックに行けなくて

発見が遅れたんよ?

だからな、俺亮ちゃんのこと恨んでるんや。

亮ちゃんのこと、嫌いや。

もう、会いたくなかった。

会わなくていいって思っとったのに。

もう来んといてや。」

ーやっぱり大倉は
俺のこと憎んでるんだ。

悲しくて、悔しくて
自分のせいだってわかってるのに
やっぱり言われると辛くて
でも悪いのは自分だから…
謝らないと…

亮「…ヒックごめ…ごめんなさぃッハ」

なんや?息が吸えへん。
苦しい…吸わんと…謝らんと…

亮「ヒック大…倉ヒック許して…悪いんは俺やヒック

俺がヒック悪いヒック悪い事をしたんはヒック俺や

全部謝るヒック謝って許ヒックされるヒック事じゃヒックない

とヒック思うけどヒックだけどヒック謝るからヒックなんでもヒック

するからヒックだからヒックお願いやからヒック許してヒック」

なんでや?
吸ってるはずやねんけど何も入ってこーへん。
どんどん苦しくなっていく。

仁「亮!亮!分かるか!りょ…」

だんだん遠のいていく仁の声…
薄れていく意識…
そこからの記憶は…ない

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作者名:黄色担 | 作成日時:2019年10月17日 23時

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