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→続 ページ8

「え、いや俺、Aに告白された日に俺も好きやったって言うたやん。」
「うん、でもアレ嘘でしょ?話したこともなかったじゃない…。」

下を向いてそう否定すると、コネシマくんは溜息を零した。

「はぁ…やからそっけなかったんやな。俺もあの時ほんまはAが俺の事そんな好きやないんかと思ったんやけど。」
「私から告白したのに?」
「男の子は繊細なんですぅー。」

足をブラブラさせるコネシマくんは続けて話す。

「今日だってプレゼントは全部断っとる。もちろん告白も。勝手に机に置いてかれた分は名前が分かれば返しとるし。Aが嫌なら捨ててもええで。」
「いや、捨てるまでは…。」
「それに俺と話した事ないって言うてたけど、俺ら話した事あるし。」
「え、嘘。」
「嘘ちゃうわ、1年の時練習キツくて吐いとる俺の背中さすってくれたやん。」

言われてみればそんな事もあったかもしれない。
あの頃はコネシマくんの事をまだ知らなかったから一致してなかった。

「あれからずっと花壇で水やりするお前に話しかける方法考えてわざとボール転がしたんや。」
「嘘だぁ…。」
「やから嘘ちゃうて、俺一応サッカー部のエースやぞ?あんなフェンス超えて花壇までボール飛ばしたりせんわ。」

まさか告白されるとは思わんかったけど、と悪戯っ子のように笑うコネシマくん。
ぎゅっと隣から手を握られる。

「俺も付き合うとか初めてやしさ、お前にどう接すればええか分からんかってん。」

あーちゃんの言う通りだ。
どうやらコネシマくんは私が思ってるよりもずっと私の事を想ってくれている。

「今日はこうやって手ぇ繋いで帰ろうや。そしたら学校中の奴が俺らが付き合ってるって分かるやろ。」

手を顔の高さまで上げて、太陽のような明るい笑顔を見せるコネシマくん。
その笑顔が私の心の曇りを全て薙ぎ払ってくれた。


放課後、コネシマくんの右手には私のチョコを、左手には私の右手が繋がれた。
ざわつく生徒たちの視線が恥ずかしかったけど、隣のコネシマくんはちっとも気にしてない様子でそれが嬉しかった。
ふと屋上に視線を上げると友人の姿があった。
コネシマくんと一緒に手を振ると教室から送り出してくれた時のようにひらひらと手を振り応えてくれた。

「今度なにかお礼しないとね。」
「せやなぁ、世話になった事やし。菓子でも買うて帰るか。」

自然と出された寄り道の提案に、私たちは笑顔で駆け出した。

浸食する黒/gr→← →続



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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月6日 4時

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