→続 ページ41
「ほんまグルさんはAにだけは甘いなぁ。」
「うるさいわ、当たり前やろ。」
「認めるんかい…。Aさ、この後みんなで怪談話でもしようかって言ってるんやけどAも来いや。怖い話で涼しくなったら夏バテもマシになるやろ。」
「なるわけないやろ、お前らだけでやってろ。Aは部屋で休ませる。」
怪談か…。
怖い話はそんなに得意な方じゃないけど、この写真より怖い事なんてないだろう。
それに折角コネシマくんが私に気を使ってくれたのに断るのも悪いし…。
なぜかひとらんくんが私に訴えかけるような視線を向けてくるのは気になるけど…。
コネシマくんに睨みを利かせるグルッペンの服の裾を少し引っ張って口を開いた。
「怪談、してみたいな…。」
「全員この後談話室に集合。」
「変わり身早すぎやろ!」
すぐさま了承してくれたグルッペンにコネシマくんの鋭いツッコミが入る。
ひとらんくんは頭をガクンと下げた。
夕飯後に再びみんなが集まる談話室。
コネシマくんが立ち上がってルールを説明する。
「一人一つづつ話して一番怖かった奴が優勝!なんでも一つ命令できる権利が貰えるって事で!話の途中で逃げたり止めたりするのはなしな!分かったなひとらん?」
「もう好きにしろよ…。」
項垂れるひとらんくんの肩に鬱先生が手を回す。
「げどちゃん頑張りや。優勝して畑もっと大きくしてってお願いするんやろ?僕は何お願いしようかなぁ…やっぱAちゃんにお願いしたいなぁ。」
「私に?」
「やっぱお願い聞いて貰うならむさ苦しい男連中よりも可愛い女の子の方がええやん?」
「大先生、Aにお願いする時は俺に言ってるものだと思って心して言えよ?長生きしたいやろ?」
「や、やだわぁグルちゃん冗談やん。」
グルッペンの独占欲丸出しの発言に顔中に熱が集まる。
グルッペンに睨まれて冷や汗を流す鬱先生以外は、こんな事は日常茶飯事なので誰も気に留めた様子は見せない。
それはそれで恥ずかしいんだけど…。
「それじゃあ俺から話すで!あれはな、俺がここに来る前の事なんやけど…。」
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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
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