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呆ける私に大先生は少し眉を下げて笑った。

「あんな、信じられへんかもしれんけど俺ほんまにAちゃんと付き合ってからは浮気とかしてへんで?」

じっと私を見つめる大先生の目はいつになく真剣な眼差しだった。

「これから信じて貰えるように努力するし、だから俺の事見捨てんでくれる?」
「うん、信じる。疑ってごめんなさい。」

そう言って抱き着くと、私の首元に顔を埋めた大先生はほっと息をついた後、あー…と気まずそうに声を出した。

「あー…のさ、Aちゃん。一つ聞いてもいい?」
「ん?何?」
「実は寝室入った時から気になっとったんやけど…この煙草誰の?」

体を離して灰皿を指差して言う大先生に今度はこちらが唸る。
疑われている。
私が煙草を吸わないのは大先生も知っている、その私の寝室に吸い殻があるということは別の誰かの物と思われても仕方ない。
でもこの一週間の女々しい自分の行動を伝えるのも恥ずかしい。

そう思ったけど大先生の瞳を見た瞬間、そんな思いはどこかに飛んでいった。
大先生の瞳は静かに不安と嫉妬の色を宿していた。
私の不安に真摯に応えてくれた彼の気持ちに私も応えなくては。
覚悟を決めて口を開いた。




「もう、なんなんそれ。Aちゃん俺の事めっちゃ好きやん…。」

呆れられるかと思った自分の行動はむしろ逆に大先生を喜ばせた。
顔を両手で覆いベットでゴロゴロと悶える大先生を見ながら恥ずかしいけど話してよかったと思った。
ひとしきり悶えた大先生はガバッと起き上がると、一瞬で私の視界は反転する。
私の上で困ったように笑う大先生が口を開く。

「今日あんま寝かせられへんかも。」

返事の代わりに大先生の首に腕を回した。









まどろむ意識の中で香る煙草の匂い。
優しく頭を撫でる温かい手。
忘れられた煙草はもうここにはない。

キスの前の宣戦布告/zm→← →続



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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます!初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…!よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします!あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します!ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね!すごいです!リスペクトです!頑張ってください!(語彙が…無い!) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽`*)これからもよろしくお願いいたします! (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ*さん» ヒメ*さんコメントありがとうございます!最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います!感想下さってありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - こんにちは!いつも読んでいます!『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました!ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました!応援しています!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月6日 4時

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