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チョコレート、ブラウニー、クッキー、マドレーヌ。
Aは鼻歌を歌いながら少し大きなカゴにキレイに包装された菓子を詰めていく。
薬師をしていた父親と共に町に出向く時、病気の子供に薬を飲ませるための餌として持って行っていた菓子がなかなかの評判で、そのうち菓子だけを買い求める客ができたので今では週に一度町へ降りて菓子を売っているそうだ。
「結構儲かるんだよねこれが。領主様への献上品として注文受けた事もあるんだよ。」
「まぁ基本高級品だからなぁ。」
「甘いものに人は勝てないのよ。」
確かに。俺もAに拾われる前は毎日甘いものなんか食べれなかった、この生活にどっぷり溺れてしまった今、デザート抜きと言われたらAには勝てない。
その辺の兵士にも負けない腕っぷしはあるのに、こんな細腕の少女1人に勝てないなんて笑えるわ。
「やっぱお金持ってる人が大量に買ってくれるから助かるわ。」
「意外と現実的だな。」
「大きい番犬くんを飼い始めたからね、ふふっ。」
「感謝してますよ、ご主人様。」
「お利口なわんちゃんにはご褒美をあげなきゃね。」
クスクス笑いながら、俺の口にAはチョコレートを入れる。うん、うまい。
「でもあれだな、お偉いさん方に売ってるとなると暗殺依頼とか来そうだな。」
俺がふと思った事を口に出すと、Aは瞬間、笑顔を消した。
「しないよ。たとえ脅されても、殺されても、私のお菓子を悪用なんてしないし、させない。」
だろうな。
Aの作る菓子はそういう味がする。
優しくて、食べる相手の事を思って作った味だ。
「まぁそんな事になったら守ってやるから、安心して稼いでこい。」
俺の言葉に再び笑顔を取り戻したAは菓子の詰まったカゴを持った。
「本当にお利巧な番犬ちゃん。おまけでもう一つご褒美ね。」
目の前の机にカゴから取り出したクッキーの袋が乗せらせる。
扉から出る直前にAは一度振り返った。
「ありがとう、グルッペン。私のナイト様。」
閉まった扉をしばらく見つめた後、袋から一つクッキーを取り出す。
一口齧ると自然とさっきのAが頭に浮かぶ。
あぁもう会いたくなった。
こんなに誰かを守りたいなんて、誰かを抱きしめたいだなんて思う日が俺に来るとは…。
「悪くないな。」
自然と心に育ったこの気持ちを抑える事なんてすでに諦めてる。
所詮俺はAとAの菓子には勝てないのだから。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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