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「すまんけどあんま話す時間がないねん、なんかあんたの状況とかこっちに伝える方法はないか？」
「…深夜、もう一度来れますか？」
「まぁ来れんことはないけど…。」
「窓を開けて手紙を書いておきます。」
「なるほど。分かった、頼むわ。」
「ありがとう、ゾムさん。あなたとお話できて嬉しかった。」
「…なんぼでも話せるようになる、グルさん信じて待っとれ。」
「…はい。」
賢くて強い女やと思った。
さすがはグルさんの選んだ女やと思った。
だからこそ１秒でも早くこんなところから連れ出してやりたい。
屋上で身を隠しながら、歯痒い気持ちで時間が経つのを待った。
深夜２時。
完全に城内の灯りが消えた頃、もう一度ロープを伝って部屋の窓に近付く。
部屋の中の光も消えており、薄く開いた窓辺には封筒が１通置かれていた。
大事に大事にそれを胸のポケットにしまう。
彼女の願いが、想いが、祈りが込められているであろうそれは、ただの紙きれのはずなのに、とても重いものに感じた。
絶対グルさんに届けたるからな、頑張るんやで。
声にはできない気持ちを部屋の中にいるであろう彼女に向かって送る。
それからは無我夢中で夜の道を走った。
気持ちが前へ前へと足を走らせる。
疲れなんて一つも感じなかった、ただこの手紙を一刻も早く届けたい、それだけだった。
「グルさん、おったで、あんたの女。」
そう言って床に座り込んだゾムの服はボロボロやった、恐らく山道を最短距離で駆けてきたのだろう。
肩で息をしながら、ボロボロの服の中でも不思議なくらい綺麗な胸のポケットから手紙を取り出す。
必死に守ったんやな、その手紙を…。
グルさんもそれを分かっとるようで、口を結んでゾムを見る。
ゾムがボロボロになって届けてくれたAさんの手紙。
恐る恐るという感じに手を伸ばして手紙を掴む。
「あーしんど。」
グルさんがゾムの手から手紙を受け取ったのを見届けた後、ゾムはそう言って床に倒れ込んだ。
慌てて駆け寄ったが、どうやら疲れがピークに達して眠っているようやった。
それにしても…。
「ふはっ、なんやゾム、その顔。」
体は傷だらけ、服もボロボロやというのに。
ゾムの顔は幸せそうに笑っていた。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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