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翌朝、早朝から幹部たちが会議室に集まり作戦会議が行われた。
俺の口から一連の説明をして、オスマンと鬱先生以外のメンバーはその内容に驚いていた。
だが、誰一人としてグルさんの大切な人を救うという事に反対する奴はいなかった。
「とりあえず表からはオスマン、外交を目的に皇太子に近付いてもらう。可能な限りAさんの情報を集めて欲しい、やけどクセ者の皇太子やこちらの目的がAさんと気付かれたら何するか分からん、あくまで慎重にさりげなく、ヤバいと思ったら即中断。」
「おっけー。」
「裏からはゾム、アスタムに侵入してAさんの様子を探って欲しい。ただし城内には皇太子専属の兵士がぎょうさんおる、かなり危険やけどイケるか?」
「ええやん、その方が燃えるわ。」
全員の目がギラギラと燃えている、つくづく戦争好きの奴らばっかりや。
「残りの奴は戦争の準備や。こちらの動きが漏れたらすぐに攻めてくる可能性がある。いつでも迎え打てるようにしとく事。」
メンバーが頷いたのを見てからグルさんに視線を移す。
ただ黙って会議を聞いていたグルさんがようやく口を開いた。
「すまん、今回の件は完全に俺の私情や。最悪の場合この6年、いや…今までの事全てが無駄になる可能性がある――「そん時は。」
グルさんの言葉を遮る。
ほんまAさんの事が分かってから弱気になったなぁ。
俺たちはあんたやから付いてきたんや、そのあんたをここまでにする女、それだけで命を賭ける価値があるやろ。
「そん時は一緒に死んだるよ、グルさん。」
呆れたように笑うと、みんなも笑う。
「そやな!大先生と同じ墓に入るのだけは勘弁やけど!」
「シッマひどっ!」
「いやぁワンチャン大先生だけ死ぬ可能性もあるで?」
「無能やからなぁ。」
「ゾムもマンちゃんもなんなん!?俺の扱いひどない!?」
「もう大先生囮にして強硬突破でもええんちゃう?」
「シャ、シャオチャン…。」
「アホばっかりやな…。」
眉を下げて笑うグルさんと顔を合わせる。
ほんま、俺らはいい仲間を持ったな。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ッ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - グルさんイケメン…最推しです(*´ー`*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます!楽しんで貰えたなら幸いです!!続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます!秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます!体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます!感想とても嬉しいです!!2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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