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「その子グルちゃんの女やろ、俺知っとったで、グルちゃんに女がおるの。」

オスマンがアスタムから帰国してからの一連の流れを事細かに説明すると、大先生は煙草の煙をふぅっと吐き出してからそう答えた。

「は?なんで?」
「んー、多分この国に来る前かな。逃亡しとった期間あるやん、あん時に匿ってもらっとったんやろ。」
「グルさんからそう聞いたん?」
「いや、直接そうとは聞いてない。グルちゃんがこっちに来た日にさ、女に匿ってもらっとったんか?って冗談で聞いたやん、そん時一瞬グルちゃん表情硬くなったやろ?あれで気付いたんよ。」

確かにその記憶はある。
大先生がそうやってグルさんの事をからかっていた。
だけどあの時は…。

「そんなわけないやろって言ったやろ。つまりそういう事、あのグルちゃんが一瞬でも動揺して、しかも俺らにも簡単には口にできない存在。よっぽど大切な女なんやろ。」

オスマンも俺も大先生から目が離せなかった。
恐らくその事に気付いていたのは大先生だけ、つまりこいつは分かっていながらも6年前のあの日からその事を俺らにもグルさん自身にも言わなかったという事。
こういうところがあるから憎めないのだ、この男は。

「トントンから聞いた様子やとグルちゃん知らんかったんやろ、その子がアスタムにおるの。」
「つまり出会ったのはアスタムではない、という事やな?」
「そうやな、でもグルちゃんが何も言わずにそんな大切な女残していくとは考えづらい。」
「というと…?」

オスマンと大先生の会話に聞き入る。
大先生が何を言うか、もう分かってしまった。

「その子は自分の意志ではなくアスタムにいる、そんで今回オスマンに菓子を渡す事でグルちゃんに気付いてもらおうとした。まぁグルちゃんの選んだ女のやりそうな事やな、なかなかやるやん。」

冗談めいた口調でそう言うものの、大先生の表情は真剣だった。
憎むべき国に愛する女まで奪われる。
こんな事になるなら、危険でもなんでも一緒に連れてくればよかった。
手放した自分をぶん殴りたくなるだろう。
あんなにダメージを受けたグルさんを見た後でその心情を察すると胸が痛んだ。

「まぁトンちゃんが今することは一つやで。」
「俺が?」
「グルさん止めるのはあんたの役目やろ?ほっといたらあの人、明日にでもアスタムに戦争ふっかけるで。」

大先生にふぅっと白い煙を吐きかけられながら、顔がサァっと青くなっていくのが分かった。

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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ッ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - グルさんイケメン…最推しです(*´ー`*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます!楽しんで貰えたなら幸いです!!続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます!秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます!体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます!感想とても嬉しいです!!2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月23日 23時

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