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その日の夜はどちらから言い出すわけでもなく、自然に二人同じベットで眠った。
お互いの体を強く抱きしめ合い、その存在を確かめるように刻み付けるように。
夢を見た。
幸せな夢を。
グルッペンは国を取るなんて大きな夢を持っていない、ただの普通の私の旦那様。
森の中にある小さな家で穏やかに過ごす日々。
遊びに来たオスマンさんの入れた紅茶と、私の作ったお菓子を囲んで笑い合う。
寄り添って、手を繋いで、キスをして。
たまにアルに邪魔をされて怒るグルッペン。
私の事をからかって子供ように笑うグルッペン。
デザートを取り上げられて少し頬を膨らませながら拗ねるグルッペン。
私を抱きしめて愛しいという顔をするグルッペン。
私が今まで見てきたグルッペン。
大好きな愛しいあなた。
一生目覚めなくてもいい、そう思ったのに残酷にも朝は来る。
目覚めた時グルッペンは隣にいなかった。
視線を上げると、背を向けて出会ったあの日に着ていた服に着替えるグルッペンがいた。
綺麗に直ってよかった、あなたによく似合う黒い服。
なんて強くて大きな背中。
色んな想いをその背に背負っているんだよね。
こみ上げる想いに歯止めが効かない。
縋りつくようにその背に抱き着いた。
「A…。」
「もう、行くのね。」
「あぁ…あいつらが待ってる。」
「うん。」
グルッペンのお腹に回した手をゆっくりと外される。
振り向いてそのまま両手を強く握り込まれる。
涙は見せたくない。
一生の別れじゃないもの。
最後にあなたに見せる顔は笑顔がいい。
「気をつけてね。」
「あぁ。」
「ま、ってるから。」
無理やり涙を押し込めて、笑顔を見せた。
グルッペンも少し眉間に皺を寄せて笑った。
「必ず、帰るから。」
「うん…！」
最後にお互いを強く抱きしめ合ってキスをした。
熱い唇の感触を、絶対に忘れない。
家の扉の前でアルが待っていた。
アルも分かっているのだ、このしばしの別れを。
グルッペンの足元に擦り寄るアルの頭をグルッペンが一撫でする。
「Aの事、頼んだぞ。」
グルッペンの言葉に了承したというようにアルは私の足元へ来る。
その様子にグルッペンは一度頷いた。
「行って来る。」
「行ってらっしゃい！」
笑顔で大きく手を振ってグルッペンの背中を見送った。
グルッペンは一度も振り向く事なく進んで行った。
その背中が完全に視界から消えた瞬間、崩れ落ちて涙を流した。
幸せな日常は、突然消えてしまった。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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