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洞窟から歩いて20分ほど経った頃、小さな家が見えてきた。
道中の会話はほとんどなく、たまに少女が振り返って大丈夫か、疲れてないかなどの自分を心配する発言にあぁ、と一言返すくらいだった。

森の中にひっそりと建つ家は、傍に柵で囲われた家よりも少し小さな畑とその横にこれも柵で囲われた羊と鶏がいた。
お世辞にもキレイとは言い難いが、ところどころ修繕された家はなんだか懐かしい気持ちにさせられた。

「ここが私の家です。古いですけどなかなか住み心地はいいんですよ?どうぞ。」

少女の開けた扉から家に入れば、中は甘い匂いとはイメージの違うシンプルでこざっぱりとした作りだった。

「お腹、すいてませんか?スープとパンで良ければすぐに温めますけど。」
「…すまん、頂く。」

少女は俺の返事を聞くと、嬉しそうに笑ってキッチンへ行く。
その姿を目で追いながらテーブルに備え付けられた椅子に腰かけるとどっと疲れと空腹が襲った。
椅子の背もたれに背中を預け、上を向く形で目を瞑る。

(疲れた・・・。)

ふぅ、と一つ溜息を零したところで目の前のテーブルにコトリと何かを置く音がした。
片目でそれを見ると皿の上にツヤツヤ輝く黒い塊が3つ置かれていた。

「甘いの嫌いじゃなければ。」

疲れた身体は目の前に置かれたチョコレートに我慢や恥など考えられなかった。

「……好物だ。」

一つ抓んで口に放り込む。


「うまい。」


頭の中で思った事はそのまま口に出ていた。
俺の様子を見た少女はおかしそうに笑う。

「なんか可愛いですね。見た目怖そうなのに甘党なんですね。」
「…よく言われる。」
「それ、私が作ったんです。美味しそうに食べてもらって嬉しいです。」

幸せそうな眼差しから逃げるように、残りのチョコレートを口に投げ込んだ。
そしてふとした疑問が頭をかすめ、問いただしてみる。

「こんな森の中に一人で住んでいるのか?」
「えぇ、3年前に父が亡くなってからは一人で。たまに町に降りたりもするんですけどね。ここで人と会話するなんて父が亡くなって以来ですよ。」

だから嬉しくて浮かれちゃってるのかも。と言う少女の言葉に嘘が全く感じられなかった。
純粋に会えて喋れて嬉しいのだと、少女の雰囲気が物語っていた。

キッチンに再び戻ると数秒後には洞窟で見た木のトレーにパンとスープを乗せて戻ってくる。
どうぞ、と目の前に置かれたそれに手を合わせてから頂いた。

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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ッ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - グルさんイケメン…最推しです(*´ー`*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます!楽しんで貰えたなら幸いです!!続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます!秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます!体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます!感想とても嬉しいです!!2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひとちん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月23日 23時

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