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邪魔すぎるんだが…。
突然現れた敵、所謂ライバルというやつ。
まぁ恋敵が人間ではなく狼ということで俺に敗北要素は皆無だが如何せん、邪魔なのだ。
俺がAに近寄ろうとすると、Aの足元に纏わりつき妨害する。
ソファに座るAの横に座ろうとすると駆け出してきて間に入る、しかも頭をAの膝に乗せて撫でてもらいながら勝ち誇った顔をする。
挙句の果てには、朝起こしに来たAをベットの中に引きずり込もうとしたらダイブして俺の上に飛び乗ってくる、しかもそれを見たAは笑いながら、アルはグルッペン起こすの上手いね!今度からお願いするね!なんて言うもんだから手に負えない。俺の楽しみが…。
蹴って追い出してやろうかとも考えたが、そんな事をしようものならAから白い目で見られそうだし、逆に俺の方が追い出されてしまうかもしれない。
人間相手ならどうとでも対処できるだろうが動物相手に下手なマネはできずイライラする日々が続く。
もう3日もAに触れてねぇ・・・!
俺のイラつきをよそに、今日もアイツはAの膝に頭を乗せて尻尾を振る。
そんな腹丸出しで人間に媚び売るとか、お前本当に狼か?
妨害にあってから5日目。
今日は町へ行くというAは朝から忙しく菓子の準備をしていた。
「おい、そいつも連れて行くのか?」
扉を出る直前、当然のようにAに寄り添うアルを指差して聞く。
狼が町なんかに行ったら騒ぎになるだろ。
「町の手前までついて来てくれるの、賢い子だから森からは出ないよ。」
「…俺も途中まで送る。」
「グルッペンはダメ、見つかったらグルッペンの方が大変でしょ?お留守番してて、ね?」
止められる俺を見て、はんっとでも言いだしそうな顔のアルに頬が引き攣るがAにそう言われて無理やりついて行くわけにも行かず立ちすくむ。
まるで留守番の番犬と護衛の番犬。ちょっと泣きそうなんだが。
やけ食いのように菓子を食い、本を2冊読み終えるとすっかり日も暮れ始めていた。
今日はやけに遅い気がする、迎えに行こうかとも思ったがアルがついているし夜道に迷うことはないだろう。なんなら俺が迷子になるかもしれん、そうなった場合アルは俺を見捨てるんだろうなと恋敵の勝ち誇った顔が浮かんだ瞬間、玄関から焦ったような吠え声が聞こえた。
尋常じゃない鳴き方に飛び出すと、こちらに駆け寄るアル。
その様子と傍にAがいないことから全てを察した。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ッ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ* - グルさんイケメン…最推しです(*´ー`*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます!楽しんで貰えたなら幸いです!!続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます!秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます!体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます!感想とても嬉しいです!!2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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