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どれほど登っただろうか
だいぶ登ってきた気がするが…
と、その時だった



「牛鬼様!お怪我にさわります今はまだ安静に!」

「それはお前もだろう牛頭」

「牛鬼様も牛頭も戻ろうよ〜!!
怪我悪くなったら大変だから!」



静まりかえる山に響く似つかわしくないどこか賑やかな声
その声たちは私の登るこの石段の上から聞こえてくる



「……………」



このまま行けば確実にすれ違うだろう
だが私は、それを避けようとはしなかった



そうして、案の定人影が見えてきた



「あれ?誰かいるよ牛鬼様、牛頭!」

「誰だ?」

「…リクオ様のご友人だろう」



間違ってはいないな



「そこの娘。
これ以上この先にこれから登、る、のは…………」



ようやくはっきりとお互いの姿を認識できた
牛鬼は私を見て目を見開き、固まる
部下の二人はそんな牛鬼を見て不思議そうだ



「あ、なたは…」

「…忠告感謝しよう。だが、今目的は達成したんでな。
これ以上登る必要はない」

「なぜ、あなたが…
いや、あの方は何百年と前に既に…」



混乱しているようだった
こんな牛鬼は中々見れないので少し愉快だ

私は牛鬼を見据え、ゆっくりと口角を上げた



「久しいな、牛鬼。
見ないうちに少し歳をとったか。
だが、渋さが増していい男になったのではないか?」

「そんな…ほ、んとうに…」

「ああ、私だ」

「A…様…」



主のあまりの驚きように部下たちも困惑している



「本当に、貴女様なのですか」

「ああ」

「なぜ、どうして…」



他にも何かと言いたいのだろうが、出てくる言葉はそればかり
牛鬼にしては語彙力がなくなっているな、今



「それについても少し話がしたい。時間はあるか?」

「…えぇ、もちろんです。我が屋敷にどうぞ」

「では遠慮なく」

「ちょ、牛鬼様!?この小娘を中に入れるんですか!?」

「牛頭、口を慎め」

「えっ」



注意された襟巻をした男に牛鬼は強い口調でそう言った



「この方に無礼な物言いはよせ」

「な、え…」

「牛鬼様〜、この女の人誰なんですか?」

「…それについてはあとだ。戻るぞ」

「「はっ」」



部下二人の周りには疑問符が浮かんでいた気もするが牛鬼がそう言うのなら、と引き下がったのだろう
私は先を行く牛鬼の後を追った


















(…………流石に山頂付近にある屋敷だと寒いな)

(なにか羽織でもお持ちしますか?)

(ああ、悪いが頼めるか?風邪を引きそうだ)

(承知しました)

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mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月11日 19時

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