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それに、そもそも私がそなたの祖母なのだから知らぬわけがまず無い
「私は蛇妖怪だ」
「蛇妖怪?」
「知っているかどうか知らんが、私の祖父はヤマタノオロチと言われる大妖怪だ。
まぁ、死んでるがな」
須佐之男命によって気が遠くなるようなはるか昔に殺されている
「「ヤ、ヤマタノオロチィ〜〜〜〜〜!!?」」
「ああ」
「超有名なやつじゃん!!?」
「ぬらりひょんも有名なやつだろう?」
「いや比じゃないよ!?」
「あなたそんなとんでもない血を引いてたの!?」
「好きで引いてる訳では無い」
私もそれを知った時は目が点になったが
「まぁ、お互い四分の一しか妖怪の血が流れておらん同士仲良くしよう」
「うん…まさかこんな身近にそういう人がいたなんて思わなかったけどね」
「そういうものだぞ、意外と世の中というものは」
そうして、会話もいいところにし私は読書に集中することにした
▽▲▽▲▽
読書に没頭しすぎたあまり気づけば日が暮れ始めていた
「…いかん、集中しすぎた」
リビングではカナたちの楽しそうな声が聞こえる
それを聞き流しつつふと横を見ると幼い寝顔をしたリクオがいた
「………寝ていたのか」
恐らく昨日の状態からして夜中に妖怪との一悶着でもあったのだろうから眠くなっても仕方ない
「……包帯」
少しだけめくれた服の下から見えた痛々しい包帯
「酷い怪我をしたのか」
私は当たり前のように、その身体に手をかざした
そうするとポゥと淡い光が出て次第に消えていく
「…あまり無理はするな、リクオ。
男の子は無茶をし怪我をしながら成長するものだと誰かが言っていたが、あまりお前が怪我をするのは好まん」
私の可愛い孫だからな
「無茶も程々にするのだぞ」
リクオの栗色の髪を撫でたあと私はなんとなく外に繰り出た
もちろん誰にも言わずに
言ったら止められるのは目に見えていたからだ
「………やはり山だからいささか冷えるな」
自分の腕を擦りながらあの石段をのんびりと登っていく
この石段は頂上につながっているのだろうか
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mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2020年1月11日 19時