【ぬらりひょんの孫】糸繰草【初代】

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「小僧…てめぇに聞きたいことがある」



ギロり、と術者を睨んだ一人の鴉天狗
しかし殺気は感じない
流石に同じ奴良組の者だからいきなり手にかけるようなことはせぬか
だがまぁどうやら、ことは収まりそうだな
ならもう一度湯に浸かったら、あとはもう上がるとしよう



そして私は特に何事も無かったかのようにまた湯船に身を沈めた



「……Aさんホンマにマイペースがすぎるで、あんた」

「私は他人にリズムを乱されるのが一番嫌いだ。
例えそれが人間であろうが妖怪であろうがな」

「なんで妖怪に襲われてんにそんな変わらんの！？」

「だから言ったろう今。
何であろうとリズムをを乱されるのが嫌いだとな」



だからってそんないつもと変わらんとかある！？と驚かれたが、あるんだが、普通に



こんな私を乱してくるのはぬらりひょんくらいだから



目の前では一人残った女の鴉天狗が牛鬼の部下をつるし上げて折檻している
何やらこんな変なものを見て湯に浸かるのはあまり好ましくないな
なんとも見るに耐えん



「……先に上がるぞ、転校生」

「え、ちょ、二人のことどうにかしてくれへん！？」

「…なら巻は脱衣所に放置しておこう。
鳥居は貴様がやれ。身長的にその方がいいだろう」

「貴様！？今貴様言うた！？」



転校生の話を無視して私は巻を背負い、宣言通り脱衣場に放置した(シャッターは無理くり開けた)
まぁ夏だから風邪をひくということはあまりないだろうし、そうなる前に転校生が起こすだろう
















(………天気が荒れてきたな)

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