+++++ ページ28
.
「………なぁ、おふくろ」
「…………」
「そんなに苦しそうな顔するなら、俺と一緒に会いに行こうぜ。
大丈夫。親父はただおふくろのこと、包み込んでくれるぜ」
な?と優しくなだめるような声で言ってくる鯉伴
「ああ…忘れられたままなら、良かったのに」
「そりゃリクオに文句言ってくれよ。
ボールおふくろにぶつけたの俺じゃないんだしよ…」
それはそうなのだが………
「………私は、怖いんだな」
「………怖い?おふくろが?」
まさか過ぎる言葉が出てきて鯉伴は一瞬でキョトンとした間抜けな顔をさらけ出す
「約400年の時が経ち、私の知る奴良組は私の知らぬ奴良組へと変化した。
その400年の内に私の知る者も幾人か死に行き、私の知らぬ者が奴良組へ入ったのだろう。
人というのは変化を恐れる生き物。
私も、ただの人間なのだな」
そうだ
私はただ恐ろしいのだ
あんなにも愛し、愛されたぬらりひょんが400年で何か変わってしまったのではないかと
鯉伴の話を聞いて変わっていないと言われても、人とはそれを真っ向から鵜呑みにできるほど上手くできていない
純新無垢な子供ならば違ったかもしれない
しかし人というのは歳を重ねる事に汚れていく
真っ白な心が、どんどんとな様々な色へと汚されていく
そうして人とはできていくのだ
「…別に悪いことじゃねーだろ、それは。
おふくろは人間なんだ。
そもそも400年ってのはそりゃ長ぇさ。
ふと気づいたら400年の時が経ってるなら怖くなっても普通だろ」
「……なぁ、鯉伴」
「なんだ?」
「…ぬらりひょんは、まだ私を愛してくれているのか」
その質問に、鯉伴は愚問だと言いたげにぬらりひょんと似たニヤリとした笑みを見せた
.
542人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:江 | 作成日時:2020年1月11日 19時