二人が大好きだから ページ17
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その日の夜
鯉伴はなんとも言えぬ表情を浮かべたまま帰宅した
「鯉伴様?どうかしましたか?」
そんな鯉伴の変化をいち早く察したのは元とは言え一番の側近とも言える首無だ
「…………はぁぁ」
「え、どうしたんです?本当に」
鯉伴は頭をガシガシとかく
「あれ、父さん今までどこ行ってたの?おかえり」
「おお、リクオ。おかえり」
「へ?」
おかえりと言ったのにおかえりと返ってきた言葉にリクオはキョトンとした
「お前も男なんだからしっかり妖怪一匹でも撃退できるようになってとけよー」
「えっ、えっ!?」
「バレてないとでも思ったか?」
まだまだ子供だな、とニヤニヤと笑えば息子はゲェッと言いたげな顔をしていた
「……………………」
「…鯉伴様?リクオ様見つめてなに固まってるんです」
「………………あー!モヤモヤする!クソっ!!」
「え。今度はなんなの父さん」
「親父に言いたいが言えないし、リクオに理由を話したい気もするけど話せない。
非常に俺は今モヤモヤしてるんだよ」
あ゛ー!とこれでもかと頭を掻き毟る鯉伴
「どうしよう首無。父さんおかしくなってる」
「割と昔からだと思われます」
「ええ……」
「首無お前な………」
頭をボサボサにした鯉伴はジト目で首無を見た
「一体なんだって言うんですか、鯉伴様」
「…分かんねぇよもう」
「あなたがわからないことを私たちが分かるわけないでしょうが」
「お前マジで俺に対する対応が塩」
昔より100倍マシだけど
「よくわかんないけど、何かあるなら話してよね?」
「いや、話したいが話せないことなんだわ。
悪いな、リクオ」
「?そう。よくわかんないけどわかった。
もう遅いし寝るよ。おやすみ、父さん、首無」
「おやすみなさいませ」
「おやすみ」
リクオを見送り、鯉伴は縁側にドガリと雑に座った
その隣に首無もまた腰掛ける
「一体何があったんですか、鯉伴様。
あなたがそこまで表に出してモヤモヤしてるなんて」
「…………いきなりだがよ、首無っておふくろ生きてる頃にはいたよな?」
「え?おふくろとは…初代の奥方様…ですよね」
「ああ」
そして首無はええ、一応ご存命の時にここへ来ましたよ。と言う
「だよなぁ…」
「それが何か?」
鯉伴はなに考える素振りをみせ、周りを確認し出す
首無としては一体何をしているんだろうと疑問を持つばかりでとりあえず鯉伴が話をしてくれるのを待った
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mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2020年1月11日 19時