幸せな場所 ページ2
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─時は流れ
──江戸
───明治
────大正
─────昭和
──────そして平成
「くぁぁ……あー、ねみぃ……」
東京の一角にある、大きな大きな御屋敷
その屋敷は一体いつからそこに建ってるのかもわからないほど昔からある御屋敷
「あら、おはようございます。鯉伴さん」
「あぁ、おはようさん若菜。朝飯出来たのかい?」
「はい!にしてもいつもより早起きですね?」
「リクオが早く起きたみてーでな。
爆睡してるとこ腹に突っ込んできてよぉ」
「あらあらあら…ふふふ」
鯉伴の腕に抱かれてニコニコしているのは、この屋敷で生まれ、育ち、家主とも言える奴良組二代目 奴良鯉伴の息子
その名を奴良リクオという
若菜と呼ばれたのはそのリクオの母にして、鯉伴の妻である
「たっくよぉ……
リクオ、お前父親の腹にいきなりすっ転んでくるんじゃねぇよ。
何事かと思ったぜ」
「??」
「"?"じゃねーっつーの」
鯉伴は朝一発目の愛息子から貰った鳩尾目掛けたダイナミックな転倒で目覚め、そして悶絶するという『リクオ目覚まし』を体験した
リクオはたまたま早起きしてしまい、大好きな父の元へ行こうとし、たどたどしいヨチヨチとした歩みで向かったところ布団と自分の足が絡まって父にダイブしてしまったのである
これは完全な事故だ
「ま、とりあえず飯にすっか」
「ええ、そうしましょう!
みんな待ってると思いますから!」
夫婦、そして子も揃えて広間へ行けば既に準備されている朝食に鯉伴は笑みをこぼす
鼻に届く美味しそうな匂いに腹の虫が鳴きそうだ
「なんじゃ、鯉伴お前今日はもう起きとったんじゃな」
「おー、親父。おはよーさん」
「おう」
「じっちゃ!」
「朝から元気じゃのう〜、リクオ」
リクオとコミュニケーションをとり始める好々爺はリクオの祖父であり鯉伴の父にして奴良組並びに魑魅魍魎の主の初代 ぬらりひょんだ
「ほーれ、リクオ。ワシの隣に来るかい?」
「いく!」
それを聞いて鯉伴は抱き上げていたリクオを降ろしてやれば、ヨチヨチとぬらりひょんの元へと向かっていく
そのヨチヨチ歩きで今朝自分が悶絶したと思い出すと、なんだか虚しい気分になった
「ふふ、リクオはおじいちゃんが大好きなのね。
やっぱり」
「じいちゃんっ子って奴かねぇ」
「リクオはワシに似とるからのう!」
「いや親父より断然若菜似だろ」
「誰も顔とは言っとらんわい!!」
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mikitty(プロフ) - 更新されていて、とても嬉しくてニヤニヤしちゃいました… (2020年3月16日 15時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても面白く続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 8c7b14ea8f (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - ワクワクドキドキしすぎて更新が待ち遠しいです!今回も面白かったです! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
あかがみ(プロフ) - 早速読みました!続きが気になっていたので更新してくれて嬉しいです!次回も頑張ってください! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 55e841535d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月14日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2020年1月11日 19時