夏休みの宿題 1 ページ6
「マスター、何してんの?」
「宿題。」
「何それ。じゃあ構ってくれない?」
「今無理。」
「なーんだ。」
今日は8月31日。全国の学生にとっての悲惨な日だ。
最初のうちにやってしまおうとかいう計画に向かい、最初の数日は頑張るけれど挫折して、最後にツケが来る。毎年のパターンだ。
「お姉ちゃんお姉ちゃん!」
「何?」
「えにっき描いてー!」
「はい!?」
「マスター、千紗ちゃんも宿題なんだって。」
年の離れた妹、千紗は今年小学校2年生だ。
「私だって忙しいんだから。もう、猫の手も借りたいくらい。そうだ、カイトの手も借りよう。」
「え、俺!?」
「青いんだから、数学できるでしょ?」
「いや何その理屈意味わかんないから!」
「千紗の宿題やってー!」
「あんたは自分でやんなさい!」
小学校低学年の宿題なんて、私に比べたら簡単だし、少ないんだから。それに今のうちから甘えないの!
「だってねー、変なんだよ?なんで1行にっきとえにっきどっちも書かなきゃいけないの?」
うーん、それは分からなくもない。
「ねー、なんでなんでなんでー!?」
「マスター、どうする?」
もう!私だってやることあるのに集中できないじゃない!
「カイト、こっちはいいから千紗の日記やっといて。」
「はーい。」
あ…行っちゃった。
「千紗ちゃん、この日はお姉ちゃんと3人で遊びに行ったよね?」
「うん!カイト兄ちゃん変顔してた!あれもっかいやって!」
「やんないやんない。ほら、書いて。」
「うー。」
「俺こっち書いとくから、千紗ちゃんも。」
「わかったよぉ…」
リビングから2人の声が聞こえる。
…元は私がカイトのマスターなのになぁ。
面倒見のいいカイトは、私が部活でいないときとかによく千紗と一緒に遊んでくれてるし、千紗もよく懐いているみたい。
「できたー!」
「お、偉いね千紗ちゃん!次は漢字練習?」
「うん!千紗ね、かんじは上手なんだよ!」
「そっか、じゃあ1人でも大丈夫かな?」
「だいじょぶ!」
こっち、来てくれるのかな…?
「カイト兄ちゃーんっ!」
「ん?千紗ちゃんどうした?」
「見てみて!これすごいでしょ!」
「おーっ、きれいに書けたね。」
「うん!」
最近、一緒にいても千紗と遊んでばっかだったよね…
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あかり - 糸魚川翡翠@京都より帰還さん» 翡翠ちゃんは帯人が好きなんですよね? (2016年2月29日 19時) (レス) id: b06cf0ef99 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» ただいま! そうね、短編集の方ではあまり亜種は書かないからな。 (2016年2月29日 10時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 翡翠さん!おかえりなさい!やっぱりヤンデレカイトでしたか! (2016年2月28日 20時) (レス) id: b06cf0ef99 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» YESヤンデレカイト!! ラストの一言ってところがお気に入りです。 (2016年2月28日 11時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» 書いてる私のテンションも高かったりしますw (2016年2月28日 11時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸魚川翡翠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisui0327/
作成日時:2015年10月11日 10時